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09月11日-02号

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  1. 京都市議会 2001-09-11
    09月11日-02号


    取得元: 京都市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-19
    平成13年  9月 定例会(第3回)     平成13年第3回               京都市会会議録 第2号     (定例会)               平成13年9月11日(火曜日)出席議員(72名)   1番 小島健市議員   2番 竹内 讓議員   3番 小川ひろき議員   4番 砂川祐司議員   5番 田中英之議員   6番 中村三之助議員   7番 磯辺とし子議員   8番 井上けんじ議員   9番 玉本なるみ議員   10番 東山洋子議員   11番 安井 勉議員   12番 井上教子議員   13番 山口 勝議員   14番 安孫子和子議員   15番 中村十一議員   16番 石黒利雄議員   17番 加地 浩議員   18番 橋村芳和議員   19番 加藤盛司議員   20番 内海貴夫議員   21番 せのお直樹議員   22番 岩橋ちよみ議員   23番 中村かつみ議員   24番 西野さち子議員   25番 柴田章喜議員   26番 久保省二議員   27番 大道義知議員   28番 日置文章議員   29番 天方晶英議員   30番 宮本 徹議員   31番 鈴木マサホ議員   32番 繁 隆夫議員   33番 富 きくお議員   34番 大西 均議員   35番 田中セツ子議員   36番 巻野 渡議員   37番 北山ただお議員   38番 倉林明子議員   39番 井坂博文議員   40番 加藤広太郎議員   41番 佐藤和夫議員   42番 谷口弘昌議員   43番 高嶋弘恵議員   44番 中西賢治議員   45番 可児達志議員   46番 中西正三議員   47番 今枝徳蔵議員   48番 梅林 等議員   49番 小林あきろう議員   50番 伊藤義浩議員   51番 二之湯 智議員   52番 中野竜三議員   53番 井上与一郎議員   54番 川中増次郎議員   55番 高橋泰一朗議員   56番 森 ます子議員   57番 藤原冬樹議員   58番 若宮 修議員   59番 山中 渡議員   60番 山本正志議員   61番 三宅誠孝議員   62番 有吉節子議員   63番 宇都宮壮一議員   64番 山口幸秀議員   65番 椋田知雄議員   66番 中村安良議員   67番 北川 明議員   68番 国枝克一郎議員   69番 西脇尚一議員   70番 青木善男議員   71番 津田幹雄議員   72番 坂口芳治議員欠席議員(なし)   議事日程   開議日時 9月11日午前10時第1 請願審査結果について(建設消防委員長報告)第2 議第121号 京都市区役所出張所設置条例の一部を改正する条例の制定について第3 議第122号 京都市老人デイサービスセンター条例の一部を改正する条例の制定について第4 議第123号 京都市特別養護老人ホーム条例の一部を改正する条例の制定について第5 議第124号 京都市老人介護支援センター条例の一部を改正する条例の制定について第6 議第125号 京都市自動車放置防止条例の制定について第7 議第126号 京都市道路附属物駐車場の自転車等の駐車料金に関する条例の一部を改正する条例の制定について第8 議第127号 京都市消防団員退職報償金支給条例の一部を改正する条例の制定について第9 議第128号 京都市消防団員等公務災害等補償条例の一部を改正する条例の制定について第10 議第129号 京都市火災予防条例の一部を改正する条例の制定について第11 議第130号 京都市立小学校条例の一部を改正する条例の制定について第12 議第131号 京都市東部クリーンセンター等改修工事請負契約の締結について第13 議第132号 唐橋市営住宅増築工事請負契約の締結について第14 議第133号 桜島市営住宅新築工事請負契約の締結について第15 議第134号 一級河川白川改修今出川分水路新設工事請負契約の変更について第16 議第136号 市道路線の認定について第17 議第137号 市道路線の廃止について第18 議第138号 地方自治法第242条の2第1項第4号の規定による訴訟に係る費用の負担について第19 議第139号 訴えの提起について第20 議第140号 訴えの提起について第21 議第141号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第22 議第142号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第23 議第143号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第24 議第144号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第25 議第145号 附帯控訴の提起について第26 議第146号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第27 議第147号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第28 議第148号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第29 議第149号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第30 議第150号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第31 議第151号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第32 議第152号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第33 議第153号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第34 議第154号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第35 議第155号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第36 議第156号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第37 議第157号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第38 議第158号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第39 議第159号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第40 議第160号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第41 議第161号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第42 議第162号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第43 議第163号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第44 議第164号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第45 議第165号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第46 議第166号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第47 議第167号 訴えの提起(裁判上の和解を合む。)について第48 議第168号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第49 議第169号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第50 議第170号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第51 議第171号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第52 議第172号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第53 議第173号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第54 議第174号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第55 議第175号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第56 議第176号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第57 議第177号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第58 議第178号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第59 議第179号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第60 議第180号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第61 議第181号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第62 議第182号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第63 議第183号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第64 議第184号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第65 議第185号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第66 議第186号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第67 議第187号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第68 議第188号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第69 議第189号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第70 議第190号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第71 議第191号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第72 議第192号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第73 議第193号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第74 議第194号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第75 議第195号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第76 議第196号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第77 議第197号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第78 議第198号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第79 議第199号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第80 議第200号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第81 議第201号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第82 議第202号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第83 議第203号 訴訟上の和解について第84 報第5号 控訴の提起について第85 議第135号 一級河川七瀬川改修工事請負契約の変更について第86 報第3号及び報第4号 平成13年度京都市一般会計補正予算について ほか1件第87 報第6号 平成12年度京都市病院事業特別会計決算第88 報第7号 平成12年度京都市水道事業特別会計決算第89 報第8号 平成12年度京都市公共下水道事業特別会計決算第90 報第9号 平成12年度京都市自動車運送事業特別会計決算第91 報第10号 平成12年度京都市高速鉄道事業特別会計決算   一般質問 (1) 市政一般について  二之湯 智議員 (2) 市政一般について  富 きくお議員 (3) 市政一般について  山中 渡議員--------------------- 〔午前10時2分開議〕 ○議長(磯辺とし子) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、席上に配付致しておきました。 本日の会議録署名者を指名致します。井坂博文議員大道義知議員とにお願い致します。--------------------- ○議長(磯辺とし子) この場合、議長から御報告申し上げます。 監査委員から平成12年度の平成13年4月分及び5月分並びに平成13年度の平成13年4月分ないし6月分の例月出納検査の結果報告が参っております。原文は、市会事務局に保管してありますから随時御覧願います。--------------------- ○議長(磯辺とし子) 日程に入ります。 日程第1、請願審査結果についてを議題と致します。 委員会報告書は、配付致しておきました。 これより討論を行います。発言の通告がありますので、これを許します。加藤広太郎議員。 〔加藤広太郎議員登壇(拍手)〕 ◆(加藤広太郎議員) 上程されています請願第271号ほか大型商業施設建設への指導等を求める98件の請願を不採択にするとの報告に対し、日本共産党京都市会議員団は採択すべきとの態度を表明し、私が代表してその意見を述べるものであります。 これらの請願は、島津製作所五条工場跡地にジャスコを核店舗としてダイヤモンドシティが大型の複合商業施設の開発を計画し、昨年6月から施行された京都市土地利用の調整に係るまちづくりに関する条例と大型商業施設まちづくり方針として示された商業集積ガイドプランに基づいて手続がされたことに伴って周辺の住民や多くの市民、業者団体などから提出されたものであります。 請願要旨の第1点は、まちづくり条例を見直し改正を求めている問題です。条例制定の経過でも、市民参加を保障する時間の不足など不十分さが指摘されてきました。請願は、開発者が行う説明会を一度だけでなく納得いく説明会の開催や積極的な情報公開を義務付けて住民の理解を得るにふさわしいものにすること、法的拘束力を持たせて条例違反に対しては罰則規定の導入など、まちづくり条例を実効力あるものにすること、徹底した市民参加を保障した条例にすることを求めております。手続第1号となったこの案件に対しては、超大型な商業施設の計画で、しかも当該地の上限とされる2万平方メートルをも上回る申請に対して全市民的に大きな批判も出されました。全市民的な運動もあって出店面積を大幅に削減させるうえで条例が果たした役割もありましたが、しかし、今後も同様な計画なども予想されるだけに今回の教訓を踏まえて改善していくのは当然必要となっております。 請願要旨の第2点は、大型商業施設の無制限な出店などを認め、京都市の歩いて暮らせるまちづくり構想の否定に結び付く極めて不適切な商業集積ガイドプランを見直し改正強化を求める中身です。既に京都市内では大型スーパー、百貨店の進出によってオーバーストア状況になり、商店街、市場の衰退や地域コミュニティの弱体化など問題点が発生して危惧されていることは皆さんも御承知のところであります。そのうえに大型店自身が一方的に閉鎖、撤退する事態も生じていて地域生活に支障も生じております。今回の結果ですが、審議の経過においてあくまで上限2万平方メートルと説明してきたものが、突然望ましい店舗面積の上限の目安を持ち出して、運用基準を策定して1割の範囲で面積増を認めることを京都市は行いました。市が突然店舗面積の上限を事実上緩和したことに対しては、市民団体の代表も2万平方メートルでも交通や住環境に影響があるうえに、それ以上の規模を市が認めるとは思わなかった。上限を勝手に変えるのは問題だと批判しておりますし、自民党議員でさえも、まちづくりへの市民参加をうたいながら最後に不透明さを残したとある新聞は紹介しております。企業側が狙っていると言われている将来の増床をも許さない条件づくりを含めて、極めて不適切な商業集積ガイドプランは撤回し、見直し充実することが求められているのも当然であります。 第3点は、周辺住民の住環境を守る立場からの請願内容です。恒常的な五条通りの渋滞に加えて近隣の生活道路にまで大量の車を呼び込み住環境を悪化させる大規模商業施設ではなくて、規模を大幅に縮小したものにすること、そして施設の北側と西側に車の出入口は作らずに近隣の生活道路への車両の進入を防止するための必要な対策を講じること、良好なまちづくりの推進を図るというまちづくり条例の目的に合った土地利用となるように島津製作所に行政指導を徹底してほしいという内容は、周辺住民のすべてが願っている内容です。計画地を知る議員ならば誰もが否定できない請願内容であります。今回の計画は、今後大店立地法の手続に沿って行われますけれども、大店立地法は商業調整機能がないだけに、より良い良好なまちをつくるためにも市民と共に進めるまちづくり条例に改善することが求められております。 また、新たな柊屋隣のリクルートマンション建設町並み景観調和を破壊すると大問題になっております。この問題もまちづくり条例が商業施設など集客施設以外の開発を土地1万平方メートル以上と超大型開発に限定していることが欠点であり、当議員団は改善することを求めて参りました。物議を醸す超高層マンションなどは、例えば2,000平方メートル以上や一定の戸数以上などもまちづくり条例の対象にするなどまち壊しを許さない点からも改善が求められております。併せて指摘し、98件の請願を採択すべきと求めて討論と致します。(拍手) ○議長(磯辺とし子) これをもって討論を終結致します。 これより表決を採ります。本件は、建設消防委員会報告書のとおり、98件を不採択とすることに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○議長(磯辺とし子) 多数であります。よって本件は、建設消防委員会報告書のとおり決しました。--------------------- ○議長(磯辺とし子) 日程第2ないし日程第91については、前回の議事を継続し、これより順次上程することと致します。 日程第2ないし日程第84、議第121号京都市区役所出張所設置条例の一部を改正する条例の制定について、ほか82件、以上83件を一括議題と致します。 本案は、ただ今お手元に配付してあります議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託致します。--------------------- ○議長(磯辺とし子) 日程第85、議第135号一級河川七瀬川改修工事請負契約の変更についてを議題と致します。 お諮り致します。本案は、委員会付託を省略のうえ、原案のとおり可決することに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○議長(磯辺とし子) 多数であります。よって本案は、原案のとおり可決されました。--------------------- ○議長(磯辺とし子) 日程第86、報第3号及び報第4号、平成13年度京都市一般会計補正予算について、ほか1件、以上2件を一括議題と致します。 お諮り致します。本件は、委員会付託を省略のうえ承認することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(磯辺とし子) 御異議なしと認めます。よって本件は承認することに決しました。--------------------- ○議長(磯辺とし子) 日程第87ないし日程第91、報第6号平成12年度京都市病院事業特別会計決算、ほか4件、以上5件を一括議題と致します。 繁議員。 ◆(繁隆夫議員) 議事進行について動議を提出致します。 ただ今議題となっております決算5件については、公営企業決算特別委員会を設置し、これに付託のうえ慎重審議願いたいと思います。なお委員の数は24名とし、委員は議長から御指名願いたいと思います。この動議を提出致します。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(磯辺とし子) ただ今繁隆夫議員から動議が提出され、動議は成立致しております。 お諮り致します。ただ今の繁議員の動議のとおり決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(磯辺とし子) 御異議なしと認めます。よって繁議員の動議のとおり決します。 なお委員は、ただ今お手元に配付してあります名簿の方々を指名することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(磯辺とし子) 御異議なしと認めます。よってただ今指名致しました方々を公営企業決算特別委員に選任することに決定致しました。--------------------- ○議長(磯辺とし子) 暫時休憩致します。 〔午前10時14分休憩〕 〔午後1時1分再開〕 ○議長(磯辺とし子) 休憩前に引き続き、会議を行います。--------------------- ○議長(磯辺とし子) これより一般質問を行います。発言の通告がありますので、これを許します。市政一般について、二之湯智議員。 〔二之湯智議員登壇(拍手)〕
    ◆(二之湯智議員) 私は、自由民主党京都市会議員団の二之湯智でございます。自民党京都市会議員団を代表して政令指定都市が抱える様々な課題、京都市の中長期的な施策、そして緊急を要する問題について市長はじめ関係理事者にお尋ね致します。 9月定例会の本会議において冒頭に質問の機会を与えられ誠に光栄であります。心より喜んでおります。質問に入ります前に、私は平成11年5月24日、本日御出席の同僚の皆々様の御推挙をいただき、第69代目の栄誉ある京都市会議長に選出していただきました。議長在任中の2年の間、市会議員全員の提案により京都市会情報公開条例が成立し、開かれた、より透明度の高い市民に分かりやすい京都市会の実現に努力することができました。またマスコミからその使い道について再三批判され市民オンブズパーソンから詳細な収支報告書の公開を求められ、違法な支出として返還措置を監査委員に請求されたりしておりました調査研究費が地方自治法第100条の一部改正によって公に支出することができるようになりました。これを受けて京都市でも政務調査費の支給に関する条例が成立し、市会議員の政治活動基盤が強化されましたことは誠に喜ばしい限りであります。この大きな節目のときに議長を務めることができましたことは、私にとって終生忘れることができない思い出となることでしょう。ここに改めまして同僚の皆々様に心より感謝を申し上げたいと存じます。 さて平成8年、地方分権論議が高まる中、桝本市長は田邊前市長の後を継いで京都市長に当選されました。出馬に際し、記者会見において桝本市長は再三、私は日本一の行政マンであると自負している。行政能力においては誰にも負けないと随分強気の発言をされていたことを記憶しております。私は、京都市の置かれている難しい現状を考えるとき、やや自信過剰とも思えるような元気な人、剛毅な人が市長にならない限り京都市の再生はあり得ないと考えておりましたので、市長の出馬を大いに歓迎したものでありました。この人ならば地方分権を一層強く推進されるであろうと思いました。当選早々の平成8年5月市会で、あなたは京都市の助役の呼び方を副市長と言うようになさいました。私も助役という言葉は、田舎の小さな駅にも助役がいるし1,000人足らずの村にも助役がいる。それと同じ名称を人口100万以上の大都市のナンバー2の地位にいる人に付けるのはかねてからおかしいと思っておりましたので、通称名を副市長にされたことは、あなたの地方分権に対する意気込みが感じられ前途を大いに期待致しました。御案内のとおり地方自治法では、都道府県と市町村の位置付けがかなり違っております。例えば都道府県には副知事を置くことができる。市町村には助役を置くことができる。また議会事務局、監査事務局は、都道府県は必ず置かなければならない必置義務ですが、市町村の場合は条例で置いても置かなくてもよいという規定になっております。市町村の規模によっては、その条項はそれでいいでしょうが、人口100万人以上の政令指定都市地方自治法上ではいまだに市町村という文字で一くくりにされている現状はいかがなものでしょうか。私は、都道府県及び政令指定都市は、法律上対等に明記し他の一般市町村と明確に区別すべきだと思いますが、市長の見解をお伺い致します。 さて昨年4月、地方分権推進一括法が施行され文字どおり地方の時代がスタート致しました。国と地方の関係が上下主従の関係から対等平等になり、各自治体は自己決定、自己責任の原則の下、市民と行政がお互いに創意工夫を凝らすことによって個性豊かなまちづくりを進めることができるようになったと言われておりますが、しかし一方で、地方財政については引き続く景気の低迷による税収減、数次にわたる景気対策への対応等による公債費負担の著しい増大など極めて厳しい状況にあり、その健全化を図ることが緊急の課題となっております。今後、地方分権の一層の推進を図り、介護保険制度、環境問題、地方財政等自治体が抱える様々な重要施策課題に積極的に対応していくためにも地方税財源の充実強化を図ることが重要であります。地方6団体は、国に対して税財源の拡充強化を強く要望しておりますが、国の方は景気が回復してから地方の税財源の充実を考えると表明しており、今なお完全な地方の自立の実現を見ておりません。また地方分権によって地方自治体に課税自主権が認められましたが、日本の税制は、河内副市長の言葉を借りれば極めて精緻に出来ており、もはや地方自治体に大きく課税できる対象はないと言ってもよいでしょう。課税自主権を生かして、都道府県では神奈川県の臨時特例企業税、三重県の産業廃棄物税、そして市町村では山梨県の河口湖周辺3町村の遊漁税があります。政令指定都市では横浜市が勝ち馬投票券発売税の条例案を可決しましたが、総務省との協議が難航しており、今なおその実現を見ていないのであります。もし京都市で課税できるものがあるとしたら一体どんなものが考えられるでしょうか、お考えをお聞きかせください。 ここ数年、大都市を抱える都道府県が長引く不況の影響で法人税が大幅に落ち込み極めて深刻な税収不足に陥り、そのため都道府県財政の安定化のため景気の動向に左右されない外形標準課税の導入が検討されております。既に東京都では、東京に本店のある大手銀行に対して今年度から5年間という期限付きで外形標準課税を導入しました。これは東京だからできる、また石原東京都知事の強いリーダシップがあって初めて可能でありました。私は、地方の独自の税が新たに創設されることは大いに歓迎する立場であります。ただ、この税を課税する根拠は、赤字企業といえども地方公共団体の水道、下水、ごみなどのサービスを受けているというのですが、私は、この各種のサービスを提供しているのは大部分が市町村であり、都道府県がどんなサービスを提供しているのかよく理解できません。それをすべて都道府県税とすることには納得ができないのであります。都道府県のみならず全国すべての自治体が厳しい財政状況にあります。地方消費税のように法人が所在する当該市に人口比率によって税を交付してもらうよう運動を展開すべきだと思います。ちなみに平成12年度地方消費税による京都府の収入額は550億円余りであります。京都市には人口比率に見合った6割程度が交付されてしかるべきであります。しかしながら、現実は京都府が全体の50パーセントをまず取得し、残りの276億円の中から約60パーセント、165億円の交付を受けているにすぎません。京都府内における消費総額の約80パーセントが京都市内で消費されると聞いております。したがって京都市民が納めている消費税額はこの程度のものではないはずであります。外形標準課税が導入された場合、地方消費税と同様に京都市も大幅に還付してもらうようにする必要があります。市長、外形標準課税についてどのようにお考えになっているのか御意見をお聞かせください。 市民が積極的に市政に参加し、市民と共にまちづくりを進めていくことは新しい時代の流れであり、本市でも市民参加推進懇話会の提言を受けて市民参加型の行政を進めておられます。まちづくりあるいは市政の方針の決定に意思形成過程の段階から市民の代表を参加させようという動きがあります。議決機関である議会も市民参加型行政に反対するものではありません。しかし、行政と市民ですべての意思が決定されるのであれば、市民の負託を得て議席を持つ我々はこれに異議を差し挟まねばなりません。意思形成過程の中にどう議会の意思を反映させる考えなのかお尋ね致します。 ところで、市民に京都市主催の大きな行事に参加してもらったり、又はお手伝いしていただくことがたくさんあります。各級選挙の執行の際には多くの市民が動員されております。行事に参加し、お手伝いをする市民はほとんど手弁当で無報酬に近い形であります。一方、京都市職員が日曜あるいは休日に参加する場合はあくまで市職員としての身分であり時間外勤務手当が支給されることになっております。同じ時間に同じ場所で同じ仕事をしている善良な市民と、本来市民の奉仕者である京都市職員に待遇の差があってはならないと思います。善良な市民は恐らく報酬を求めないと思います。市民参加型行政という美名の下に多くの市民が動員され、安上がりの労働力を確保するのではなく市民の奉仕者である京都市職員も進んでボランティアとして参加、協力すべきではないかと思います。これについてどのようにお考えですか、お答えいただきたいと思います。 ところで地方分権が進み、市長部局は肥大化し権限はますます大きくなると予想されます。また、先ほど申しましたように市民参加型行政が推進されて参りますと監視機関たる地方議会の役割も当然大きくなってこなければなりません。1997年7月8日に出された地方分権推進委員会の第2次勧告では、地方議会の活性化に触れ、地方公共団体は議会事務局職員の調査、政策立案、法制能力等の向上を図るための研修機会の拡大、研修内容の充実に努めるようにとうたっております。現在、京都市職員定数条例で事務局の定数は38人でありますが、実際は35人体制であります。しかし、この体制でも私から見れば実によく働き本市の議会の補佐役として頑張ってくれております。地方議会に今後求められることは、行政に対する監視機能はもとより議会自らが政策を形成し、条例を提案できる調査研究能力を高めることであり、補助機関の議会事務局の充実強化は絶対に欠かすことができません。職員を国や国会に派遣して立法能力を身に付けるよう研修している市もあります。市会事務局の充実強化について市長の見解を求めます。 先日、自由民主党の政令指定都市議員連盟総会が広島市で開かれ、その席上、京都市より道府県会議員の定数が政令指定都市の中における道府県の仕事の量に比べて定数が多すぎるのではないかという道府県会議員の在り方について検討を求める決議を提出し、それが採択されました。これは地方議会議員の問題でありますが、行政の分野においても京都市の行政区域における府の権限をできる限り市に移譲してもらうように運動を展開し、京都市内のことはすべて京都市長が責任を持つような自治体の在り方を求めていかなければならないと思います。 私は、議長在任中、京都府都市計画審議会に度々出席致しましたが、案件の半分近くは京都市内のものであり、出席されている方々は京都市内のことがほとんど分からない郡部選出の府会議員、市長、町長であり、発言する人はほとんどなく、全く通過儀礼といった感じでありました。今回の分権で平成12年4月から都市計画のほぼすべての分野において京都市都市計画審議会が最終決定の権限を持てるようになりました。しかし、今なお商工、保健、教育、建設行政など多くの分野において府の関与が残っています。今や市職員の能力から見て府の関与は必要ないと思います。先日の朝日新聞によりますと、大阪府の梶本副知事が関西経済同友会の席上、行政の効率性を考えれば大阪府はなくなってもいい。大阪府内の行政の大半を市がやっているし、府と市が合併する道もあり得ると持論を述べたとのことでありますが、私も同じ意見であります。二重行政解消のために市長はどのような運動を展開されているのかお聞かせいただきたいと思います。 今や聖域なき構造改革という言葉は流行語となっております。厳しい地方財政事情のため、京都市においても市政改革大綱を取りまとめ新たな行財政運営システムの構築、そして財政健全化のために30項目にわたる取組をされることになっております。そして管理職以上の報酬を一律5パーセントカットするなど歳出カットのために大胆に大なたを振るっておられますが、しかし、なたを振るわない領域、聖域として触れない部分があるのではないでしょうか。京都市の聖域とは何ぞや、それは言うまでもなく、度々議会でも指摘されているように同和問題であります。かつて職免、交渉、カンパが当たり前のようになっていた状態から見れば、京都市職員の涙ぐましい努力と同和運動団体の理解も得て大幅な改善がなされました。京都市は、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律が期限切れとなる平成13年度末を待たないで、平成10年度から同和対策室を廃止、人権文化推進部を設け同和問題を人権という視点で考えていくという方針に変更されました。一見それは大きな前進と見られますが、それ以後も従来どおりの同和施策を展開しているのではありませんか。財政上の特別措置が切れた後も、激変緩和という美しい言葉を使って色々な特別施策を継続するならば京都市の同和施策は何ら変わっていないと言わざるを得ないのであります。激変緩和措置の経過期間は5年間にするとうたっておられますが、本市の過去の同和行政の経験から考えて、約束どおり5年間で終了するのか甚だ疑問であります。同和という看板を人権に変えただけでは、正に羊頭を掲げて狗肉を売るたぐいになってしまうおそれがあります。中でも市営浴場については、これを継続すれば後々大変な財政負担となるので早急に市営浴場を縮小又は廃止できるように改良住宅に浴場を設けるように我が党議員団は主張して参りましたが、正に現実はそのとおりになって参りました。現在京都市内の民間の公衆浴場は286軒あり、毎年10軒ほどが廃業に追い込まれております。この10年間で100軒ほどが姿を消しました。この不景気で、今年のように非常に厳しい暑さにもかかわらず入浴者数が非常に減少しており、しかも入浴料金が据え置かれ、現在非常に厳しい経営状況に民間業者は陥っております。反対に、市内13の市営浴場には87人もの人々が働き、過去5年間だけでも毎年5億円以上の補助金や委託料を交付し続けています。更に入浴者数は年々減り続け、とうとう平成12年度は100万人の大台を割ってしまいました。そのうち4割ほどが外部の入浴者数ということです。多くの経費が掛かる市営浴場を将来どうされるのか、働く人がいるからやめられないのが実情ではないでしょうか。京都市は、平成10年度以降は京都市立浴場運営協議会の補助金から京都市立浴場運営財団への委託料にして、直営方式から民営方式に浴場運営を変えたということですが、一般の民間浴場経営の実態から見れば法外な運営費であり、とても市民の理解と納得を得られるものではないと思います。この方式はそこで働く人々の身分保障であって決して運営のスリム化ではありません。私は今や市営浴場はその社会的使命を果たし終えたと思いますがいかがですか。 今日、地方自治体では民間でやれることはできるだけ外部の民間業者に委託して経費の節約に努めております。市政改革大綱の事務事業の見直しの中でも民間委託の導入がうたわれております。市長部局においても警備や公用車の運転は民間で十分やれる仕事であります。残念ながら市政改革大綱では、この部分については改正の見直しを一層進めていく中で効率的な業務の推進に努めていくと実にあいまいな表現にとどまっております。なぜ民間委託ができないのか。これは大変うがった見方でありますが、現業の職員の中で何年か勤めた後、警備員や公用車の運転手になりたい人がいるために、この組織、そしてこの仕事を温存しておかなければならないと思わざるを得ないのであります。市長部局の警備員だけでも24人、公用車の運転手は186人、このうち4割の職員がここ5年のうちに定年を迎えることになります。新たな人員は今後順次、民間委託に切り替えていくことを強く求めます。これを民間委託すれば大幅な予算の削減になるのではないでしょうか、御意見をお伺い致します。 大学のまち京都のシンボルである京都大学第三キャンパスは、桝本市長の懸命の運動によって西京区桂坂地区に決定を見ましたことは全く有り難いことであり、市長に心より感謝を申し上げます。問題は、大学は出来たけれど、大学本部と第三キャンパスを結ぶ交通問題をどうするのか。この地に決定する際には、当然大学側は交通アクセスを問題にされたことでありましょうし、市長もできるだけの努力は致しますと答えたに違いないと思います。正直なところ、近い将来国道9号線は立体交差化事業が着手されて交通渋滞は避けられませんし、左京区の吉田キャンパスから桂坂まで京阪、地下鉄、阪急、市バスに乗り継いでいては時間が掛かりすぎて仕事にならないと思います。地下鉄東西線天神川三条までの延伸工事は、現在環境影響調査が行われ、その後都市計画決定、そして再来年には工事に着手、平成20年3月末には開業できると伺っておりますが、それ以後に東西線を西京区に延伸するとなると誠に気の遠くなるような話であります。大学支援策として、地下鉄を延伸させることはできないと思いますが、京都市地下鉄の当初の洛西、長岡京市までの計画を早急に実現するようにすれば良いのではないでしょうか。つまり天神川三条までの工事の期間中にそれ以西の免許申請に取り掛かる必要があるのではないでしょうか。大学を誘致だけして後は知らぬ存ぜぬでは済まされる問題ではないと思います。もちろん地下鉄の沿線の地域住民の方々にも京都市の公共事業に対して全面的な協力をいただかなければなりませんが、天神川三条から洛西までの延伸の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。 今や青息吐息の状態の京都市交通局に厳しい質問をすることは本当にお気の毒ですが、先日、新聞をにぎわしましたエムケイの路線バス事業への進出問題についてお聞き致します。平成14年2月1日から乗合バス事業の規制緩和によってエムケイが路線バス事業に参画することを発表致しました。エムケイは、奇抜な発想で色々な規制を打ち破り、ある意味では自動車運送業界に大きな刺激を与えてきたことは事実であります。今回発表された内容を見ますと、バスは全路線が1回200円、1日乗車券400円、そして全線定期が月額5,000円、更に定期券所持者にはタクシーに乗り継ぐと20パーセント割引であります。エムケイの都市交通改革案を見ますと、誠にすばらしい計画ですが、しかし営業会社は利潤の追求が基本であり、公共の福祉を優先する公共バス事業とは根本的に目的が違い、エムケイが本格的に進出した場合、市民の足に混乱が生じるおそれがあるのではないかと心配しております。更に200円の運賃によるバス事業への参入、タクシーを使ってのきめ細かいサービスが展開されるとしたら経営基盤の脆弱な市バス事業はたちまち立ち行かなくなるのではないか。そのうえに地下鉄が走る道路上に安い運賃のバスが走ることになれば、市バスも地下鉄も共倒れのおそれがあります。平成14年の道路運送法の規制緩和の中で、公営交通である市バス、地下鉄は今後どんな役割を果たしていけると考えておられるのでしょうか。そして、かつて京都市交通局が経験したことがない危機にどのように対応しようとされているのでしょうか。エムケイが京都市交通局や民間バス事業者、そして市民などに出資を呼び掛け新しい事業会社を設立しようとする動きがあると聞いております。今後、エムケイから京都市交通局に対して新会社設立の呼び掛けがあった場合、いかに対応されるのか交通局理事者の決意と考えをお聞かせください。 先日、市会議員一行6人は海外行政視察に出掛け、ニューヨークでは国連本部を訪ね、赤坂国連大使と意見交換をして参りました。大使は京都大学出身で、世界人権研究センターの初代所長を務められた田畑茂二郎先生の教え子ということで、京都からの我々を大変温かく迎えてくれました。大使は、京都という日本の文化、歴史の中心、しかも風光明媚な自然環境を持つ都市で国際会議を開催することの意義を強調し、先月ドイツのボンで開かれた地球温暖化防止のための気候変動枠組条約第6回締約国会議いわゆるCOP6では、181箇国の代表、国際機関、NGO、報道機関など約5,000人に上る参加者が京都議定書という名を1日何回言ったかしれないし、世界のメディアが京都という名前を連発し、計り知れない京都の宣伝効果があったと話しておられました。私は、2003年に京都を中心にして開かれる国際水フォーラムも京都の名前を売り込むのに絶好のチャンスだと思います。世界の人々が集い、世界の平和、人類の幸せを話し合うには京都は格好の場所であるし、その場所を提供することは世界文化自由都市京都市の理念を生かすことにもなります。国際会議の究極は、先進国首脳会議つまりサミットであります。今日まで再三京都へのサミット誘致がうわさに上りましたが、京都府、京都市も正式に誘致に名乗りを上げませんでした。なぜ前回のサミットを京都は誘致しなかったのかとよく尋ねられましたが、前回は聞くところによりますと、大阪に遠慮したといううわさがありました。前回のサミットは結局は沖縄で開催されましたが、沖縄サミットには外国首脳の夫人が同伴されませんでした。京都であれば同伴が期待できますし、日本文化に触れる機会が多く多彩な歓迎行事を行う可能性もあります。2007年には日本で開かれる予定ですが、ロシア開催の可能性もあるので2008年にずれ込む可能性もあります。次期サミットは是非とも京都でという誘致運動を展開すべきだと思います。これにつきまして桝本市長の見解を求めます。 高齢者の福祉問題は今や各自治体にとって最も重要な施策の一つでありますが、特に最近の景気の低迷、厳しい環境の下で多くの京都の伝統地場産業が相次いで倒産し、たくさんの人々が職を失い、しかも中小零細企業に働く人々は苦しい生活を送っておられます。中でも特に高齢で病弱なお年寄りの生活は誠に深刻な状態であります。昨年4月から始まった介護保険制度は、暫定措置として1年間保険料が半額に据え置かれておりましたが、いよいよ10月1日からは本来額を納入しなければなりません。京都市は保険料を5段階方式に分けておりますが、第2段階に属する人々で保険料を払いたくても払えない、本当に生活に困っている人がいると言われております。自分の家があるから生活保護がもらえず、しかも高齢で仕事がない、病弱で仕事に就けないお年寄りが大変だと伺っております。そのため、これを憂慮して市長与党の5会派、つまり自民党京都市会議員団、民主・都みらい京都市会議員団、公明党京都市会議員団、フレッシュ京都市会議員団、京都21市会議員クラブの代表が9月5日、市長に対して低所得者のために介護保険料の減額の実施を求める緊急要望書を手渡されました。真に困った人々を助けることは一人一人が支え支えられるまちの実現であり、そこに住むすべての人々が相互に支え合い安心して暮らすことができることは、京都市基本計画の精神を生かすことであります。市長は5会派代表に対して、前向きに検討する、あるいは10月から実施すると表明したなど色々な新聞報道がありますが、できますれば、この場で市長としての明確な決意を公に表明していただきたいと存じます。 これをもちまして私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 二之湯智議員の御質問にお答え致します。 二之湯議員の御質問の冒頭で、私の地方分権の推進に対する意気込みを高く評価していただき、また、更なる高い目標に向かって前進するよう激励を頂だい致しました。我が国有数の大都市京都が21世紀においても全国3,224市町村のトップランナーとして確固たる地位を築けるよう今後とも初心を貫徹して参る決意でございます。 まず最初の御質問であります。政令指定都市の位置付けでございますが、都道府県と同格とすべきという二之湯議員の御趣旨には全く同感であり、指定都市が有する行財政運営能力とその実績からして、名実の実の方では府県に何ら遜色はないものと考えております。また議員御指摘の法律での明記すなわち名実の名につきましても、府県と同列に扱われることが望ましいと確信致しております。現在道州制等の検討や市町村合併の推進など我が国全体として地方分権時代にふさわしい自治制度に向けた大きな見直しの動きがある中で、その論議を他の指定都市と共にリードして参りたいと考えております。 次に、京都府とのいわゆる二重行政の問題でございますが、これも御指摘のとおり、本市が効率的で総合的な行政を実施するうえで支障があり、市民の皆さんの目線からも分かりにくいものがございます。今般の地方分権改革において指定都市の行財政運営能力に見合う事務権限や財源の移譲が行われるよう本市独自で、また他の指定都市と共同して精力的に国に要望して参りました。しかしながら、その結果は極めて不十分であり、二重行政の解決が図れていない現状にございます。いずれに致しましても、京都市は京都府全体の人口の約60パーセントを占め、警察行政、雇用労働政策、高校行政、河川行政を除く京都市内のほとんどすべての市民生活に密着した行政を京都市が担当しており、この事実をしっかり直視すれば答えは自ずから明白であります。こうした点を強く国に指摘要望し、更に京都府との協議を行うなどその解決に努力し、地方分権の理念の実現に向け邁進して参ります。 次に、外形標準課税に関するお尋ねについてでございます。法人事業税への外形標準課税の導入は、都道府県税の税収の安定等の観点から大きな意義を有する改革であるとされております。御指摘のとおり、本市は法人に対して様々な行政サービスを提供しておりますが、法人所得課税に占める市税の割合は8.2パーセントと極めて低い状況にあり、これまでもこうした実態を踏まえて指定都市が共同して、また本市独自で法人所得課税の配分割合を充実強化するよう国に対して要望して参りました。今後とも外形標準課税を含め、国、地方を通じる税制の在り方が検討される中で本市が提供する行政サービスに見合った税源が確保されるよう強く要望して参りたい決意でございます。 次に、市民参加型行政と議会の関係についてでございます。申すまでもなく我が国の地方自治制度は代表民主制を根幹としており、市民の代表たる市会と、市民の直接選挙により選ばれた市長が相互に牽制し合いつつ車の両輪として市政の運営を担っていく仕組みになっております。当然のことながら重要な案件については、すべて議会の議決を得ることになっていることは御承知のとおりでございます。現在私が進めております市民参加は、より良い京都のまちづくりのために市民の方々の知恵と力をいかに幅広くいただくかという観点から進めているものでございます。御質問の政策の形成過程に議会の意思をどう反映させるのかという点に関してでございますが、私は、これまでから予算編成や条例の制定はもちろんのこと、各種計画の策定を含めて様々な政策の形成に当たりましては、市議会の先生方の御意見をお聴きし、これを十分に踏まえた取組を進めて参ったところでございます。この姿勢は今後も全く変えるつもりはなく、むしろ市民参加を進める中では、これまで以上に議会の役割、権能は大きくなり、市会の先生方の御意見をお聴きしていくことが極めて重要になって参ると考えている次第でございます。自己決定、自己責任を基本とする地方分権の時代にあって、市民の代表たる市会と行政が更に一層の連携と協力を強め、京都は本当にすごい、京都に住んで良かったと思っていただけるまちづくりを推進して参る所存でございます。 市会事務局の充実強化についてでございます。御指摘のとおり地方分権が進む中、地方自治体にはより一層の自主性と自己責任が求められております。同時に議会が果たす役割も大きくなり、更なる活性化を推進していくためには議会の活動を補佐する市会事務局の機能を高めていくことがいよいよ重要となって参ります。このような認識から、職員一人一人の意欲の向上を図り政策立案能力を高めるための職員研修を充実強化させることによって、その能力を最大限発揮させ市会事務局全体のパワーアップに資するものにして参ります。 次に、乗合バス事業の規制緩和についてのお尋ねでございます。規制緩和を間近に控え、今回表明されたエムケイ株式会社の新規参入構想につきましては、市バスの経営、更には市バス、地下鉄のネットワークを揺るがしかねない厳しいものがあると認識しており、市民の足を守る観点から、構想の表明以来、直ちにその内容について点検し対応策の検討を進めているところでございます。この規制緩和によってバス事業への参入退出が自由となる厳しい時代においても、本市が目指す公共交通優先型の交通体系の構築と歩くまち京都を実現するためには、毎日60万人以上の皆さんに御利用いただき本市公共交通の中心的な役割を果たしている市バス、地下鉄の有機的な連携を確保する必要がございます。更に将来にわたって147万人の京都市民の足を守るという私の責務を果たすため、今回の構想をはじめとする様々な提言や厳しい御批判を真摯に受け止め、本市交通事業のより一層の経営体質の強化や徹底したお客様サービスの推進を図ることにより、市民に信頼される安全、安心な市バス、地下鉄となるようあらゆる方策を講じて参る決意でございます。 次に、サミットの誘致についてお答え致します。京都でのサミット開催につきましては、私も是非とも実現したいと考えて参りました。御指摘のとおり再来年、平成15年には平成を代表する和風の国立京都迎賓館が完成し、国立京都国際会館と併せ国際会議の誘致にとって絶好の条件が整うことになります。世界の平和と繁栄を守るサミットの京都開催は、世界文化自由都市の理念を実現するとともに、我が国の歴史と文化の象徴としての京都を世界に発信するものと確信致しております。早急に京都府や商工会議所とも十分連携を取りながら市民の皆さんの御理解と御協力を賜り、誘致に向けた推進組織の立ち上げなど積極的な取組を進めて参ります。 介護保険料に係る本市独自の減額制度につきましては、市会与党各会派の総意としての御要望を重く受け止め、平成15年3月までの時限的措置としてこの10月、来月から直ちに実施することを決意致しました。この新たな制度では厳しい生活を余儀なくされている市民の皆様に過重な負担をお掛けすることはできないとの考え方に基づき、市民税非課税世帯である第2段階のうち真に保険料の負担が困難であると認められる方を対象に、その保険料を標準保険料の2分の1に相当する額に引き下げることと致します。今後とも介護保険制度を巡る諸課題に的確に対応し、市民の皆様の信頼が確固たるものとなるよう引き続き取り組んで参りたいと考えております。 以下、副市長、公営企業管理者及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(磯辺とし子) 中谷副市長。 〔中谷副市長登壇〕 ◎副市長(中谷佑一) まず職員のボランティア活動への参加についてでございます。これまでから例えばまちの美化市民総行動に延べ1,500人を超える職員が、また21世紀京都幕開け記念事業には300人を超える職員がそれぞれボランティアとして参加するなど多くの職員が市民の皆様と同じ立場に立って事業に参加、協力を行っております。ただ、本市主催の事業につきましては主催者として責任ある事業運営を確保する必要があることから、運営の根幹的業務について必要最小限の人数、時間に限り本務として従事させております。今後とも市民の皆様とのパートナーシップの推進に当たり、職員がボランティア活動に参加することは大変重要なことと認識しており、積極的に職員の自発的な参加を促して参ります。 次に、民間委託についてでございます。本市におきましては、国に先駆けて平成の京づくり市政改革大綱を平成7年度に策定し、今日まで間断なく市政改革を推進し、その重要な柱として民間委託の推進を位置付けて参りました。人材、財源など限られた行政資源を最大限活用するため、労務提供業務や定型的業務はすべて民間委託の検討対象とするという方針に基づき、その実行を積極的に推進し、平成7年度から平成13年度までにこれらの業務で1,000人を超える減員を公営企業も含め行って参ったところでございます。御指摘の本庁舎管理警備業務及び運転業務につきましても、これまでから業務内容の見直しと減員を行って参りましたが、今後も業務執行体制の更なる見直しを進め、新たな採用は行わず嘱託化を含めた民間委託による効率的な業務の推進に努めて参ります。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 河内副市長。 〔河内副市長登壇〕 ◎副市長(河内隆) 新税すなわち新しい京都市独自の税に関するお尋ねについてお答え致します。本市では現在職員による研究会を設置し、本市にふさわしい新税の可能性等につきまして広く研究を行っているところであります。ただ、議員御指摘のとおり全国の市町村を見渡しましても、課税自主権の拡充後に新たに創設されましたのは、わずかに山梨県河口湖周辺の3町村による釣客への課税のみであります。このことに端的に示されますように、我が国の税制が極めて精緻に出来上がっていることもあり、新たに課税対象となり得る大きな税源を見出すことは決して容易なことではないのが実情であります。しかしながら、地方税財源の充実強化を図るため不可欠と考えております国からの税源移譲につきましては、今後景気が本格的な回復軌道に乗った段階で取り組む検討課題と先送りされるのではないかと懸念しているところでございます。それだけに本市と致しましては厳しい財政状況の下、自主税源拡充の見地から新税につきましても引き続き学識経験者を交えるなど更に幅広い観点から研究を重ねて参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 中野文化市民局長。 〔中野文化市民局長登壇〕 ◎文化市民局長(中野代志男) 市立浴場についてお答え申し上げます。市立浴場は、住民の保健衛生の向上を図ることはもとより、改良住宅に浴室が設置されていない経過もあり日常生活に必要不可欠なものとなっております。御指摘を踏まえまして、これまで改良住宅の建て替え等により浴室の整備が進められているものの相当長期に及ぶ見通しであり、引き続き運営していく必要があると考えております。また運営につきましては、市立浴場運営財団に委託し嘱託化の推進等による人件費の削減や入浴料金の段階的改定など経営改善に取り組んでおり、今後も更なる経営の効率化に努め、住民の保健衛生の向上に資するようにして参ります。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 江草公営企業管理者。 〔江草公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(江草哲史) 地下鉄東西線の天神川以西への延伸につきましては、京都市西部地域の発展はもとより京都大学の桂キャンパスへの足の確保のためにも是非とも必要な都市施設であると考えております。天神川以西への延伸に向けた大きな一歩となります二条天神川間の延伸事業につきましては、本年5月に関係各位の御支援によりまして事業許可を取得することができ、現在環境影響評価や都市計画決定などの諸手続を進めております。国の公共事業費削減という厳しい状況の中ではありますが、計画どおり平成19年度中に完成させることが最も重要であり全力で取り組んで参ります。今後、天神川以西への事業の推進に当たりましては、道路の整備状況、また大変厳しい交通事業の経営状況及び本市の財政状況などを勘案したうえで検討して参ります。以上でございます。--------------------- ○議長(磯辺とし子) 次に、市政一般について、富きくお議員に発言を許します。富議員。 〔富きくお議員登壇(拍手)〕 ◆(富きくお議員) 先ほど私どもの会派の二之湯議員の質問が3分オーバー致しました。議員各位の皆様方に対しましては大変申し訳なく存じます。深くお詫び申し上げます。したがいまして私の持ち時間は50分でございますが、3分短くさせていただきたいと思いますのでよろしくお願い致します。 山科区選出の富きくおでございます。私は、先の市会議員選挙以来、約2年半にわたり無所属の議員として活動致して参りましたが、この度、自由民主党京都市会議員団に入団致しました。今後とも桝本市政を支え、更なる京都市発展のため市会及び地域での活動に一層精進して参る所存であります。それでは自由民主党京都市会議員団を代表し、先ほどの二之湯智議員に引き続き市政一般に関する質問を行います。市長はじめ各理事者には真摯なる答弁をお願い致します。 現在の日本社会を見回したとき、国、地方を合わせた借金は実に666兆円に上り、公的年金も将来果たしてどうなるのか不安を拭えません。また地球環境も年々悪化し、今年の夏の暑さはまさしく地球温暖化を肌で実感する思いでありました。現状に対する行き詰まり感と将来に対する不安に駆られているのは私一人ではなく、世の中の大多数の人々がこうした閉塞感と不安感を実感しているのでありましょう。だからこそ構造改革を訴える小泉総理への期待が圧倒的な支持という形で先の参議院選挙の結果に表われたのであります。今こそ社会の在り方、日本の国の在り方を真剣に見直してみるべき時だと思います。政治、経済あらゆる分野において今までの有りようを見直し、そして改革すべき所は改革を断行し、次の世代にバトンタッチするのが私たちに課せられた使命なのであります。 歴史と伝統を持ち147万市民を抱える京都市も、我々議会はもとより市民、行政の三者が一体となって過去を検証し未来に備えていかなくてはなりません。こうした見地から京都市の財政、市政改革、教育、環境、福祉、まちづくりなどの分野にわたり順次質問と提案を行って参ります。 私たちは、かつて経験したことのない時代の大きな転換期に直面致しております。景気の回復もおぼつかないまま企業倒産件数は依然として多く、7月の完全失業率は5パーセントと過去最高となり雇用情勢も極めて厳しい状況にあります。特に我が京都市は、元々脆弱な財政基盤に加えて本市の基幹産業ともいうべき和装など伝統産業が景気低迷の影響を大きく受け、市税収入の減少など極めて厳しい財政状況となっております。ちなみに平成13年度の市税収入の総額は2,530億円で、ピーク時の平成10年に比べ178億円もの減少となっております。また市民の皆さんに納めていただいた市税を市民1人当たりに換算致しますと年間17万2,345円となり、一方、京都市の歳出総額を市民1人当たりに換算致しますと年間46万8,251円となり、その差額は市民1人当たり約30万円にも上ります。いわゆる頂いた税金と拠出する税金の比較でございますが、拠出している税金の方がはるかに多いということでありまして、その差額が30万円にも上るわけであります。この差額を地方交付税や市債の発行などで補って参りました。したがって、かつての高度経済成長期のときのように税収の大幅な増加に支えられて年々行政サービスの量を拡大することは今日では不可能であります。新たに必要な行政サービスを行おうとすれば、それ以上に今まで行っていたものを減らさなければならないという厳しい選択を行わざるを得ない時代になっているのであります。国の構造改革と同様に、我が京都市におきましても財政状況の改善に向け緊急に市政改革の取組が必要となってきているのであります。市民に対するサービスを低下させることなく必要な事業を行うには、市民の皆さんに自分たちでできることは自らでやっていただくこと、例えばごみ減量やリサイクルを推進する取組などがあります。そしてNPOいわゆる民間非営利団体など民間の力も取り入れ共にやっていくこと、そして京都市が公の立場として行政としてやらなくてはならないことの三つの活動の在り方、自助、共助、公助をしっかりと見極めて今後とも市政改革大網の取組を一層強化推進していかなくてはなりません。どんな事業を行うにしろ財源の裏付けがなくてはなりません。昨年度、12年度の決算見通しは実質収支で約7億円の黒字を確保できる見込みですが、これは家庭での貯金に相当する基金を取り崩し、また事務事業の見直しやコスト管理の徹底や職員の削減など桝本市長の掲げる市政改革により370億円を削減できたためであります。平成12年度を基準にして機械的に算出してみると、平成13年度では375億円の歳入不足、14年度では453億円の歳入不足、更に15年度にはピークを迎え540億円もの歳入不足になると予想されております。そして財源対策として取崩し可能な基金の残高が底を突き、平成13年度は市役所を整備するための費用として積み立てておきました市庁舎の整備基金からの借入れによって予算を編成したのが現状であります。こうした状況となった今、今後は当たり前のことですが、歳入の範囲内で、すなわち収入の範囲内で事業を行っていくしかありません。この度、政府は地方自治体に対し一定の改革を達成した自治体には財政健全化債を認めるとのことですが、健全化債といっても借金に変わりはなく、これ以上借金を増やさないよう発行を必要最低限度にとどめるべきであります。市長は、このような財政状況をどのように認識し、今後財源確保をいかにして図っていくのかお考えを示していただきたい。 このように大変厳しい状況の中で147万市民とのパートナーシップの下、華やぎのあるまちと安らぎのある暮らしを実現していくのは並大抵のことではなく、桝本市長の一層のリーダーシップと舵取りの力量が大きく問われていると申せましょう。まず京都市基本計画は今年2001年から2010年までの10年間で全市的観点から取り組む主要政策を示す計画として今年の1月に策定されました。そして前半5年間の2001年から2005年までの間に実施すべき計画として安らぎ華やぎ京都21推進プランを策定し203項目の施策、事業に取り組んでいくことになっております。そこで華やぎのあるまちづくりのためには、何といってもまず京都経済の活性化が必要であります。そのためには、京都市では京都市21世紀産業振興ビジョンを策定し、今年から平成22年までの10年間を対象とし、経済を活性化させる方策を提示することになっております。 さて20世紀の末期は、IT革命という産業革命に匹敵する大きな変革の嵐が吹き荒れ、我々の暮らしや文化などあらゆるものに大きな変化をもたらしました。産業の分野においては、アメリカのマイクロソフト社に代表されるIT産業と呼ばれる巨大な産業が生まれ先進国の経済を支えてきました。しかし、昨今IT不況と呼ばれる現象が起き、我が国でも好調な業績を挙げていたIT関連企業に赤字転落やリストラの実施など暗い陰が見え始めて参りましたが、社会のIT化はまだまだその途上にあり、IT産業も様々な曲折はあるもののなお進展を続けるものと思います。しかし、私は将来の新しい産業分野としてIT産業にのみ依存するのではなく、バイオテクノロジー産業などの振興にも取り組んでいくべきであると考えます。これについて我が国でも最近になって科学技術の振興をベースに置いた新たな動きが出始めました。政府は、今年3月に策定されました第2次科学技術基本計画において、ライフサイエンス分野や情報通信分野、環境分野、ナノテクノロジー材料分野の4分野に重点を置き、今後5年間に総額24兆円もの政府研究開発投資を行うこととしております。また関西地方では、去る8月27日に大阪で関西圏の自治体や経済界の代表者が集まって関西バイオ推進会議が開催され三つの大きなプロジェクトの推進が提案されました。一方、政府は2010年のバイオ関連産業の市場規模を25兆円とし、新たなバイオ企業を1,000社興すことを目標と致しております。こうした動きの中で我が京都市を見るとき、京都にはまず京都大学をはじめとする多くの大学研究機関に恵まれ、大いなる知的集積があり、また産業界についても京セラやロームなど先進技術を生かした新たな分野に積極的に挑戦する企業風土があります。このように学と産に恵まれた京都には、バイオ、環境など21世紀に主流になるであろう分野で新たな産業が花開く豊かな土壌があると私は確信致しております。そこで今後どのような認識の下に新たな産業分野の振興に取り組んでいかれるのか、市長の所見をお伺い致します。 次に、新たな企業への支援を考えた場合、技術開発への支援もさることながら資金調達への適切な支援が不可欠であります。我が京都市ではベンチャー企業の技術やアイデアを評価するベンチャー企業目利き委員会があり、Aランクに認定された企業に対しては無担保での融資が実施されております。しかし、その融資額1億円のうちその企業が既に銀行などから借入れをしている部分については差し引かれて残りの金額しか実際に融資を受けることができません。目利き委員会に参加するまでにそれぞれの企業は研究開発や設備資金を調達するために既に借入れを行っており、結局十分な資金が得られず、折角の技術やアイデアを評価されながらも途中で挫折してしまうケースが多くあります。本当に新しい企業を支援し育てていこうとするならば、今までのような融資という手法だけでなく思い切って投資を行うくらいの積極的な取組も必要ではないかと考えます。もちろん投資となればリスクも伴うわけで慎重な取組と十分な見極めが必要ですが、今後検討の余地はあると思いますが、いかがでしょうかお伺い致します。 次に、市政改革大綱を実際に推し進めていくに当たり外郭団体の整理統合が明記されています。先の5月議会におきまして同僚の加藤盛司議員も質問致しましたが、政府も道路公団や石油公団など特殊法人の見直しを各省庁の抵抗を受けながらも現在改革を行おうとしています。今なぜ国の特殊法人や市の外郭団体の見直し、改革が必要なのか。それはこれらの団体がすべて税金を投入して作られた組織であり、その団体の大部分のトップが国の特殊法人では官僚のOBで、京都市の外郭団体では本市職員のOBで占められ、その財務状況に応じて税金が補助金、助成金という名目で使われているからであります。現在本市の外郭団体は48団体であります。形態は財団や福祉法人、株式会社など様々で、また事業内容もそれぞれ違いますが、共通しているのは税金が投入されているという点であります。行政から出資する以上、公益性と公共性が求められるのは当然です。特に株式会社組織の団体には利益を追求する経営能力が必要であります。その経営トップに市職員の局長級のOBが自動的にそのまま社長として就任しています。これはいかがなものか。また現職の局長級や部長級の人たちが本市が出資している複数の会社の取締役に充て職として数社にわたり重複して就任しています。これまたいかがなものか。公務員としては非常に優秀な方々ですが、経済環境のとりわけ厳しい昨今、その方たちが高度な経営能力を持ち高度な経営判断ができるとは到底思えないのであります。個人的には私もよく存じ上げて長年お付き合いをしている方も多く大変心苦しく失礼な言い方で申し訳ないのでございますが、現実はそうではないでしょうか。官報で公表されている株式会社の決算を見ますと黒字会社もあれば赤字会社もあり、また経営改善が望める会社もあれば既に債務超過に陥っている会社もあります。これらの会社に関し多額の貸付金という形で、また一部施設の買取りという名目でいずれにせよ税金を使って支援していかなくてはならないのです。 先日、京都新聞に大変興味深い記事が掲載されておりました。岡山県が出資している第三セクターの倉敷チボリ公園は、大幅な赤字の解消に向け元副知事の社長を民間経営者に交代させ経営の抜本的見直しを図っているという記事でした。その民間人社長がビジネスの常識と役所の非常識を語り、役人は予算がすべて。チボリ公園内の来場者数を設定して予算を立てたら後はそれを消化するだけで、更に客が減ったらという発想がないと語り、チボリ公園内の至る所がコストカットの対象となり、また今まで行っていた様々な外注契約や何かと設備投資を入れ知恵するコンサルティング会社との契約もばっさりとカットしてしまい、何より県からの出向社員についても、現場を知らない人間が上にいても何もできないと県に戻してしまうなど大なたを振るっていわゆる構造改革を推し進め効果を挙げているという記事でありました。京都市もこのように思い切って民間人を登用し権限を与え立て直しを図るべきであります。 さて本市においては、確かに公益性、効率性の極めて高い外郭団体もあり、財団、福祉法人の一部には公共性、専門性の色濃い団体も存在し、そのような団体では市の優秀なOBを配置し公益性、効率性を上げる意味では必要であり、私たちは十分それを承知致しております。しかしながら、それ以外と思われる団体は、市が立ち上げ、税を投入した団体や会社ですがあくまでも市とは別組織の独立した組織のはずであります。いつまでも市職員OBの天下りの受皿ではもはや駄目です。更に憂うべきは、OBも含め市職員が退職後は外郭団体に就職して当然だと思い、一方、受け入れる外郭団体の方も市からのOBを受け入れるのが当たり前だと思い込んでいる点であります。OBを慣例として受け入れ、トップに据え、ややもすれば多額の費用を掛けたコンサルタント会社の言いなりになり、赤字が出れば市がそれを補う、このような状況を税金の無駄遣いだと市民から指摘されているのも事実であります。京都市も職員もOBも、また外郭団体も市からのOBを受け入れるのが当たり前という認識を今こそ思い切って転換すべきときであります。もう天下り先にしてはなりません。そして経営のトップには民間の中から優れた経営能力のある人材を登用すべきであり、各団体の職員や社員についてはOBあるいは民間人も含め公平に有用な人材を公募で採用すべきであります。株式会社だけでなく最終的には財団、福祉法人も含めて一日も早く見直し整理統合を図り、廃止も視野に入れ、京都市から切り離せるものは民間に移し一層のスリム化を促進し、名実ともに外郭団体の真の改革が断行されるよう強く進言致します。市長いかがでしょうか決意をお聞かせください。個別案件については11月決算委員会で論議したいと考えておりますが、市長の思い切った外部団体の改革に期待致します。 次に、安らぎのある暮らしに関連して子育て支援についてお尋ね致します。京都市は、急速な少子高齢化が進展致しておりますが、このことは、高齢者が増え福祉サービスなどの需要が増える一方で生産人口は減少していき、都市としての活力低下が非常に懸念されております。京都市では既に京・子どもいきいきプランにのっとって進められておりますが、若い世代が京都市内で子育てができるよう更に思い切った住宅施策と子育て支援策を早急に実施すべきであると思います。特に土地の価格は下落傾向にあり、今までは手の届かなかった住まいを取得することが可能となってきており、この機を逃さず有効な住宅取得のための施策を採ると同時に、市営住宅など公営住宅の充実を図っていくべきであると思います。見解をお尋ね致します。 また、子育てをするのにどこの自治体が十分な支援体制を採っているのか、保育所の数や状況、あるいは児童館の状況など非常に熱心に若い人たちは情報を求めています。様々な情報を的確に必要とする人たちにいかに提供していくのか、また要望を酌み取っていくのか、その対策をどのように採っているのか併せてお尋ね致します。 地方分権の推進により各々の自治体の施策や取組に今後ますます差が出て参ります。そして住民が自分たちの住みやすい自治体を選んで住むという時代がもう既にやってきています。自治体の力量が問われる時代になってきたのであります。小泉内閣でも、今年度予算の概算要求の中で仕事との両立が図れる子育て支援策に約7,000億円を盛り込み、保育所入所を待っている子供をなくし、放課後、親が仕事から帰ってくるまでの間児童の受入れを支援する計画です。また通勤途中に駅で子供を預け、その子供はバスで地域の保育所に連れていき、夕方も駅まで送り届けてもらえる送迎保育ステーションの全国的な普及も盛り込まれていますが、本市においてもこのシステムの検討に入るべきだと思います。先ほどの待機児童ゼロ作戦や児童館の拡充と併せて市長にお尋ね致します。 次に、児童虐待が本市でも増加しており、虐待を受け保護された子供の養育を引き受ける専門里親制度を新たに作るとともに、虐待傾向のある家庭を訪問し、親からの相談に乗り児童相談所などと十分に連携を取るなどの措置が是非とも必要だと考えます。この二つの措置に関してどのようにお考えかお伺い致します。また保育の現場にいる保育士の先生や園長先生に話を聞いてみますと、実に多くの若い母親が子育てに悩み保育園に相談を持ち掛けているとのことであります。更にもっと深刻なのは、その悩みを誰にも相談できず自分一人で抱え込み苦しんでいる親が大勢見受けられることであります。子供たちを親だけでなく、その地域ぐるみで育てるという社会の機運を高めていかなくては決して虐待の問題は解決できないと私は思います。同時に、子が親を殺し、親が子を殺すといった事件も後を断たず、このままでは社会が立ち行かなくなるのではないかという危機感を持っているのは私一人ではないと思います。また、いじめや校内暴力、学級崩壊、凶悪な青少年犯罪の続発など教育を巡る現状も極めて深刻であり、地域、学校、家庭が一体となり連携を深めるとともに、日本全体で道徳観や正義感をいかに高めていくのか真剣に考え取り組んでいくべきときが来ています。 先月の28日、京都新聞夕刊の現代のことばに、京都大学名誉教授の河合隼雄先生のしなやかな道徳教育というタイトルのエッセーが掲載されておりました。河合教授は、桝本市長が提案した京都市道徳教育振興市民会議の座長として、有識者や市民から公募した委員の方々と共に論議を進めておられます。かねてより日本の将来を考えると道徳や宗教の問題は重要だが、それを政府や市などが上から言い立てては意味がないと思い、同時に、なぜそうすべきなのかという柔と、なぜもくそもない、やれという剛の両方を併せ持つことにより出てくるしなやかさが大切だと述べておられます。私も道徳教育の在り方としてこのしなやかさが是非とも必要であると考えます。ともすれば、戦前の行き過ぎた暗いイメージを思い起こさせる道徳という言葉は、今までタブー視されがちでしたが、私は、道徳は人間の基本であり、今後ますます重要であると考えます。更に道徳教育を学校教育の課題としてだけ考えるのではなく、市民全体あるいは日本全体で考えていかなくてはなりません。桝本市長は教育委員会の出身でもあり、日ごろから人づくりの重要性を述べておられますが、市民会議という論議の場を作ったこの取組は先進性に富み、私は高く評価致すものであります。提案した市長御自身の思いと今後の道徳に対する取組に向けた展望をお聞かせいただきたいと思います。 次に、平成14年度からの学校週5日制の完全実施を目前にして、子供のスポーツ活動の在り方を考えたとき、学童野球や少年サッカーなどの練習場や大会会場を確保することが年々困難になってきております。例えば私の住む山科にございます勧修寺公園や東野公園など市が管理する運動公園の使用料は1時間2,500円で、朝9時から夕方4時まで借りると使用料だけで1万7,500円が必要で父兄にとっては大きな負担となっています。そのため使用料の安い滋賀県のグラウンドまで車で1時間掛けて通っているのが現状です。私も子供が小さいときはよく少年野球で子供を連れて滋賀県に通ったものであります。そこで議会の度に各会派の議員から要望、要求が出されておりますが、子供たちがグラウンドを使用する場合、その使用料を軽減すべき時期です。大切な子育て支援の一つだと思いますがいかがでしょうか、文化市民局長にお伺い致します。 また地元小学校のグラウンドを青少年スポーツに一般開放している所もありますがまだまだ不十分であります。今まで以上に子供たちがスポーツに親しめる機会を充実させ、継続的にスポーツ活動ができる環境を整備していくことが是非とも必要であります。このことにつきましても強く要望致しておきます。 次に、環境問題に移ります。21世紀は人権、環境、心の世紀と言われておりますが、特に京都市は、地球温暖化防止京都会議COP3の開催都市でもあり、市民、事業者、行政の三者の緊密な連携の下、二酸化炭素排出量の削減やごみ減量化やリサイクルなどに積極的に取り組んでいかなければなりません。また桝本市長も、2010年度の二酸化炭素排出量を90年度対比で10パーセント削減するという目標を掲げて環境への負担の少ないまちづくりに鋭意取り組まれていることは評価致すものであります。先ほども申しましたように環境問題の取組には、市民、事業所、行政の三者のどの一つが欠けても効果は挙がりません。そこで私は、市民にも職員にも数字で、しかもお金に換算した形でその取組の成果が表れる環境会計が有効であり、その導入を提案致します。先月、京都府の水道事業が環境会計を公表致しました。太陽光発電システムや浄水汚泥のセメント用材への再利用など投資したコストが年間6,500万円に対し、電力消費の削減など合わせて7,100万円が削減でき、差引き600万円の成果となっております。同時に、これをCO2 、二酸化炭素に換算すると391トン分のCO2 を削減したことになります。このように具体的な数字や金額として示されますと取り組んでいる職員にも市民にも大変分かりやすく、もっと削減しようと士気も高まっているとのことです。ただ水道事業だけでなく他の事業にも環境会計を拡大していくことにより、その効果をより高めると同時に民間企業への説得力も増していくはずであります。横須賀市では、既に事業を特定せずに市全体で環境会計を導入しており、京都市もCOP3の開催都市として名実ともに環境先進都市たり得るよう早急に導入すべきだと思いますが見解を求めます。 また環境省は、地球温暖化防止のための国内対策について市町村レベルでの地域の実情に根差した取組を強化するため地域構造改革事業を来年度の概算要求に盛り込み25億円を計上致しました。我が京都市の従来までの取組は啓発を中心とするものであり、実効性の観点からは十分な対策ではなかったと思います。今後、環境先進都市の名に恥じぬよう、2002年京都議定書発効に向けた実効ある温暖化防止対策が是非とも必要だと思いますが、先ほど述べました環境省の重点施策に対応してどのような取組を推進していかれるのか環境局長の答弁を求めます。 引き続いて環境の視点から新十条通に関し質問致します。新十条通の整備に関しましては、西野山大宅線が開通し、現在は西野山トンネル工事が進み3年後の完成が予定されております。去る平成9年の5月議会におきまして私が提案と質問を致しましたトンネルの換気塔について再度質問致します。土壌脱硝システムというのは、自然の土壌のバクテリアを利用して排気ガスを浄化するものですが、西野山トンネルにもこのシステムの導入をお願いしたところ、市長より画期的なシステムに注目しており阪神高速道路公団と共に研究、検討して参りますとの答弁をその当時いただきました。また今年の3月に環境局環境保全部が策定致しました京都市自動車公害防止計画にもその効果と導入を検討することが明記されております。現在既に西野山大宅線の開通により一帯の車の通行量も年々増加しており、西野山トンネルが完成すれば更に通行量が増え、それらの車両の排気ガス対策は山科区民にとり極めて重要であります。今後、京都市は、都市活動の活性化をより一層図っていくためにも新十条通も含め京都高速道路の整備を急がなくてはなりません。新十条通といいますのは、京都高速道路の部分のことを私は新十条通と言っておりますが、その京都高速道路の整備を急がなければなりません。西野山トンネルと同様に、あと3箇所で換気塔の建設が必要ですが、排気ガスを化学処理せずに、ただちりを取り除いて大型ファンで上空に高く吹き上げるだけの従来の換気塔では、環境問題の見地からも市民の皆さんの高速道路に対する御理解を得ることは難しいと思います。完成まであと3年となった今、土壌脱硝システムを導入するかどうか結論を出す時期が来ていると思います。再度強く求めますが、建設局長の決意をお聞かせください。 また環境局も単にプランを策定するだけでなく、例えば換気塔に関しても環境保全の立場から建設局に働き掛け両局が一体となって推進していくべきだと思います。従来から言われ続けている縦割り行政の批判にいつまでも甘んじることなく、環境局は積極的に各局と連携を図っていくべきであります。何より基本計画でも環境を基軸とした政策の展開が冒頭の前文に明記され、あらゆる政策の基本に環境を置いて計画を策定するよう求められているではありませんか。今後どのような形で庁内体制を整え支援システムを構築していくのか、環境局長に併せてお伺い致します。 次に、治水対策に関して質問致します。近年、都市部における異常な集中豪雨が頻発しており、水害を防止する対策として河川整備が不可欠ですが、厳しい財政状況の下、全国的に公共工事の見直しと縮小が進んでおり、我が京都市も例外ではありません。そこで過去5年間をさかのぼって河川整備費の予算を見てみますと、年々減額されており、河川ごとの整備率、改修率も平均で47.6パーセントにとどまっております。しかし、一瞬にして市民の生命と財産を奪いかねない水害に対する治水対策は、いかに財政状況が厳しくとも優先的に取り組んでいくべきであります。治水対策としての河川改修に今後どのように取り組んでいかれるのか建設局長にお尋ね致します。 次に、山科区に関連して重要なポイントのみ触れておきます。京都市基本計画の山科区版ともいうべき山科フロンティア計画が策定され、この計画は色々な角度から21世紀の山科区のまちづくりを考える取組が盛り込まれた大変充実した内容となっております。この中の基本施策に採り上げられている幹線道路網の再整備で小山大宅線の整備と共に、次の点が実は重要であるのですが、西野山大宅線を延伸して小山大宅線と接続させるプランがその中に示されております。西野山大宅線は高速道路である新十条通に接続されますが、東の起点となっている山科区役所前で現在外環状線に突き当たっており、早急に東へ延伸し小山大宅線に接続する準備を進めていかなくてはなりません。是非とも早急に着手していただくよう要望致しておきます。 また、人と環境に優しい交通体系の整備として現在公共交通機関から一定距離離れている地域を中心に誰でも利用できる小型低床バス路線の導入を検討し、地下鉄東西線の駅と結んで循環運行し、住民の利便性を高めていくプランも実はこのフロンティア計画の中に示されております。これは山科区民にとって大変重要かつ必要性の高いプランであります。地下鉄東西線が開業されてから山科区は市バスが撤退し、京阪バスが今運行致しておりますが、非常に不便な区域もあり、市民の皆さん方から私どもに色々な要求がございます。是非とも早急に実現に向け今からその準備に着手していただくよう強く要望致しておきます。 さて、今まで京都市基本計画と市政改革大網を中心に様々な分野にわたり質問と提案を致して参りましたが、これらを実行し達成させるために重要なポイントが二つあります。まず一つは、市民の皆さんへの十分な説明、そしてもう一つは、職員の意欲と能力が最大限発揮できる人事制度です。これから厳しい財政状況の下、市民の皆さんにも痛みを伴う改革をやり遂げていかなくてはなりません。今、医療の現場でインフォームドコンセントという制度がありますが、これは医師が患者に対し病状や治療方法などを十分に説明し、患者の同意を得て初めて治療に掛かるというものです。京都市の場合も同じです。現状をありのまま伝え、どこに問題があるのか、それに対応するにはどんな方法があるのか、またその結果どのようなことが予想されるのか市民の皆さんに十分説明し理解していただいたうえで実行に移さなくてはなりません。市民の皆さんに御負担を掛ける可能性のあることもきちんと説明したうえで協力いただく必要があります。行政の説明責任です。これが1点。2点目は人事の在り方です。京都市には非常に優秀な職員が大勢います。貴重な人材である職員のやる気を引き出し目まぐるしく変わっていく社会情勢に迅速かつ柔軟に対応していくためには一人一人の能力を高めていくとともに、適材適所の人事施策が必要となって参ります。本格的な地方分権時代を迎え、地方自治体といえども経営感覚を持って自治体を経営していく姿勢が求められております。今の時代が求める公務員とは、前例や先例にとらわれず柔軟かつ積極的に仕事に取り組んでいく職員です。そして機械的に3年たったらはい異動というのではなく、一定の成果が挙がるまでは責任を持ってその職員に仕事に取り組ませることが必要であります。大過なく無難にただ任期を終えるのを待つのではなく、一人一人のやってきた仕事の成果を公正に問い、それに報いる制度であるべきです。とりわけ課長、係長職は、実際に彼らが計画を策定し、それを彼ら自身が実施していく、まさしく行政の中核となる立場です。今までは一つのプロジェクトの途中でも任期が来れば次々と職員が変わり、その度に担当者の熱意と取組に随分と差がありました。折角進んだプロジェクトが熱意のない後任者によって後退させられるケースを私自身も実際に何度も体験致しました。恐らく私一人ではなく各議員の皆様方にも経験があろうかと思います。やはり一定の成果が出るまでは、その部署にとどまって仕事をするような体制でなければ計画を実行することはできません。基本計画を計画倒れに終わらせないためにも今までの人事制度を改め、是非こうした成果主義の人事制度に改めるべきであると私は考えますが、市長はいかがお考えでしょうかお伺い致します。 最後に、先日新聞報道でもありました京都公安調査事務所からの外国人登録原票の開示請求につきましては、適法な手続により行われたことが説明されております。しかし、こうした高度に個人情報を集約した文書の取扱いにつきましては人権擁護、個人情報の保護の観点から、今後一層の慎重を期すことを強く求めます。また、こうした請求があった事実、すなわち本来行政内部でしか知ることのできない情報がなぜ外部に流れるのか。これについても少々疑問が残ります。行政内部の情報管理や守秘義務との関係で大きな問題であると考えます。その点についても調査し、今後の対策の検討が必要であることを指摘しておきます。これで私の第一質問と致します。(拍手) ○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 富きくお議員の御質問にお答え致します。 初めに京都市の財政状況に対する認識と今後の財源確保についてのお尋ねでございます。本市は、財政基盤が脆弱なうえ長期不況を反映して歳入の根幹を成す市税収入が非常に厳しい状況にある中で、指定都市で最も徹底した市政改革に取り組んできたにもかかわらず、財源不足対策として活用してきた基金も底を突き、平成13年度予算では市庁舎整備基金からの借入れにより対応せざるを得なかったところでございます。この基金からの借入れは、まさに緊急避難ともいうべき措置であり、現下の財政状況はこれまで経験したことがない大変な局面に至っているものと認識致しております。このような状況の下、今後の財政運営におきましては、御指摘のとおり歳入の範囲内で事業を行っていくことが基本であり、これまで以上にめり張りのある事業の取捨選択を行うとともに、人件費の更なる抑制を図るなど市政改革に積極果敢に取り組んで参ります。また、この困難な事態を乗り切るために徴収率の向上など市税収入の確保はもとより、最小限の財政健全化債の発行も視野に入れ財源確保に努めて参りたいと考えております。更に大都市への税源移譲を従来にも増して強く国に要望して参りますとともに、希望と安心感のある市民生活を実現するため基本計画に掲げた政策を着実に推進していくことによって都市活動全体を活性化させ市税の増収を図るなど財政基盤の強化に不断に努めて参る所存でございます。 次に、新たな産業の振興についてお答え致します。私は、京都が21世紀においても日本を代表する都市として発展していくためには、新しい時代のニーズに対応した新たな産業を強力に振興することが経済戦略のみならず都市戦略としても重要であると考えております。京都市におきましては、これまで京都市ベンチャー企業目利き委員会をはじめ積極的なベンチャー育成策を推進して参っており一定の成果を生み出して参りましたが、今後ともより多様な分野で新たな産業の振興を図ることが必要であります。現在、伝統産業から先端産業、更にはサービス産業まで様々な産業が相互にきめ細かく支え合う産業連関都市の構築に向けて21世紀産業振興ビジョンの策定に取り組んでおりますが、有識者で構成するビジョン策定委員会においてIT、環境、バイオ、ナノテクノロジーなど戦略的、重点的に取り組むべき分野を示しながら御検討いただいているところであります。あえて現時点で私の所見の一端を申し述べますと、私は、富議員と同じく新たな産業分野の中でとりわけバイオテクノロジーは21世紀の世界の産業をリードする蓋然性の高い領域であると認識致しております。バイオテクノロジーは医療、環境、分析機器など多様な分野にわたる裾野の広い産業であり、京都にはこれらの分野において先端的で多彩な研究成果を誇る京都大学や世界レベルの先進的なバイオ関連企業群など大きなポテンシャルがございます。これらの可能性を生かした産業界、大学、行政すなわち産、学、公連携の新たな取組によりこの分野が新世紀の京都の産業を支える大きな柱となり得ると確信致しております。そこで私は、関西圏全体のバイオ産業プロジェクトと連動しながら、例えば京都の最も得意とするITと超微細技術いわゆるナノテクノロジー分野などとの結合をも視野に入れた京都独自のバイオシティ構想といったプランを早急に取りまとめたいと考えております。そして21世紀型産業を戦略的に振興していくことにより新たな活力と魅力あふれる京都を築いて参ります。 次に、外郭団体についてでありますが、その性格は公益性、公共性が高いものであり、各団体の運営を円滑に進めるために豊富な行政経験を有する退職者を活用しているところであり、このことは国とは異なり人件費の抑制にもつながっていると考えております。しかしながら、御指摘のとおり昨今の厳しい経済社会状況の中でとりわけ株式会社形態の外郭団体につきましては、チボリ公園の実践例をしっかりと受け止めながら経営感覚を持った有能な人材を登用していくことが重要であり、御提案の人材確保の方策について取り組んで参りたいと決意致しております。また外郭団体の整理統合につきましては、昨年3月に策定した外郭団体再整備計画に基づき、現在すべての外郭団体について経営状況の点検評価を行っており、厳しい経営状況にある団体に対しましては更に経営状況を精査している最中であります。その結果、将来経営改善の可能性がないと判断される場合は、問題を先送りすることなく団体の統廃合や事業の存廃も含め勇気を持って思い切った抜本的な対応策を講じて参りたいと決意致しております。 京都市内で子育てができるような住宅施策等についてでございます。御指摘のとおり近年の土地、家屋の下落は住宅を取得しやすい状況を生んでおり、このような時期に住宅取得の支援をはじめ京都市内で子育てができる住宅施策を実施していくことは京都の将来にとって非常に重要な問題であると私も認識致しております。現在本市では子育て世代である中堅ファミリー層を主な対象に居住スペースの広い良好な賃貸住宅を家賃負担を軽減して提供する特定優良賃貸住宅いわゆる特優賃を約2,400戸供給しており、特に都心4区の特優賃については新婚、子育て世帯に対する本市独自の家賃補助制度も設けているところでございます。今後とも新たに策定する住宅マスタープランにも位置付けを行い、計画的な供給を図って参ります。また住宅取得の支援につきましては、京都市住宅総合資金融資制度を設け住宅取得者に対する低利な融資を行っており、引き続き制度の活用促進に努めて参ります。 次に、公営住宅につきましては、今後の市民の居住とコミュニティの形成の観点からも重要な地域資源であることを踏まえ、平成12年度に策定した公営住宅ストック総合活用計画に基づく計画的な建て替えや適切な改善等による効率的供給を図るとともに、富議員御指摘の子育て支援をはじめとする福祉施設の併設など福祉分野との連携による地域と結び付いた有効な活用に努めて参ります。今後ともすべての市民が京都にいつまでも住み続けたいと思っていただけるまちづくりに全力を挙げて取り組んで参ります。 道徳教育についてであります。今日社会規範の揺らぎや他を顧みない履き違えた自由、更には行き過ぎた商業主義といった成熟社会の病理現象が子供たちに責任感や規範意識、自律性の欠如、浮ついた豊饒感などを生んでいることにつきましては極めて心が痛み、明日の社会への危機感すら感じざるを得ないところでございます。こうした状況から子供たちを救い出し、人間として当然守るべき事柄を身に付けさせることは大人に課せられた子供と未来社会に対する重大な責務であります。幸いそうした私の提起を御快諾いただいた我が国を代表する碩学である河合隼雄先生を座長とする道徳教育振興市民会議が子供たちに何を育てるのか、そのため一人一人の大人が何をなすべきか。学校、家庭、地域の果たすべき役割は何かについて、押し付けではなくしなやかな道徳への市民的合意を形成する取組を広範な市民の参加の下、進められております。大きな期待を寄せている次第でございます。 次に、地球温暖化防止対策についてでございます。私はCOP3開催都市の市長として、これまで京都議定書の早期発効を目指し国等へ要望するとともに、市民、事業者とのパートナーシップの下、京のアジェンダ21フォーラムにおける取組をはじめ多彩な地球温暖化防止対策としてバイオディーゼル燃料化事業、生ごみのバイオガス化技術実証研究や電気自動車の共同利用実験への参画などの政策を推進して参りました。このような本市の先進的な取組も採り入れて、この度環境省の重点施策において脱温暖化社会に向けた地域の実効ある施策を支援する地域構造改善事業の創設が概算要求に盛り込まれました。御指摘のとおりであります。今後環境省の制度の詳細が明らかになった段階でその活用も含めて実効ある地球温暖化防止対策に積極的に取り組んで参りたいと考えております。 次に、人事制度の改革についてでございます。本格的な地方分権の時代に多様化、複雑化している市民ニーズに対応した政策を立案したり説明責任を全うするためには、個々の職員の高度な専門性すなわち行政のプロフェッショナルとしての力量が大変強く求められるわけでありますが、それは一定の成果を挙げるまで責任を持って業務に取り組むことにより培われるものであることは御指摘のとおりであります。長期間同じ仕事に従事することによる弊害の防止や職員の視野の拡大のためには一定の基準に基づいた人事ローテーションが必要であるわけでありますが、個別のプロジェクト等については、こうした基準にこだわらず事業の進捗や継続性等に応じた配置が重要であると考えております。今後とも職員の意欲と能力を高めるとともに持てる力を最大限に発揮できる、活用できるよう公正な評価と柔軟な発想での人事配置を行って参る所存でございます。 以下、副市長及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(磯辺とし子) 中谷副市長。 〔中谷副市長登壇〕 ◎副市長(中谷佑一) 環境会計の導入についてお答え致します。環境会計は、太陽光発電の例でお話にありましたように、具体的に環境改善に要した費用とその効果を金額に表してその収支を公表する手法であり、職員のコスト意識が高まるとともに市民に対してその投資効果が分かりやすく理解していただける非常に優れたシステムであると考えております。現在、主に大手企業を中心に取組が行われておりますが、自治体におきましても、環境管理の国際規格であり環境会計の基礎となる数値が把握できるISO14001の認証を取得した所から導入されつつあります。京都市におきましても新京都市役所エコオフィスプランを策定し、省資源、省エネに取り組むとともに、ISO14001の認証を4事業所で取得するなど積極的に環境施策を進めて参りました。更にその成果をより深く検証し広く市民に説明する責任を果たすため環境会計の導入に向けた取組を進め、併せて市役所本庁舎でのISO14001認証取得を目指して参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕 ◎副市長(高木壽一) 最初に企業の創業支援についてでございますが、京都市ベンチャー企業目利き委員会は、優れた技術力や事業性を有する企業をAランクとして認定し、そのことによって民間からの投資を誘発することを目的に設置したものでございまして、全国唯一のユニークでかつ確かな評価システムとして定着して参りました。これまでAランクに認定された26社のうち9社が認定を契機にいわゆるベンチャーキャピタルからの高い評価を受けまして資金調達に成功しております。京都市が認定企業に1億円の融資を行いますのも企業の信用力を高めるためでございます。しかしながら、御指摘のとおり多くのベンチャー企業が資金調達に苦慮されております。多様な資金調達の機会が提供できますようにベンチャーキャピタルなどとの連携によりまして資金調達システムの構築を新たに検討して参りたいと考えております。 次に、子育て支援に関する情報提供についてお答え致します。京都市では子育て支援都市京都の実現を目指して子供を安心して産み育てられる環境づくりを進めているところでございますが、そのためには、御指摘のように子育てに関する情報を市民の皆様に的確に伝えることが重要であると考えております。子育て世代に最も関心の高い保育所や児童館をはじめとする子育て支援施策に関する情報提供につきましては、各区役所に子供支援センターを設置し、専門職員が子供に関する相談や施策の情報を提供するとともに子育て支援パンフレットや保育所情報ファイルなどを備え付けているところでございます。一方、こどもみらい館におきまして様々な相談事業のほかに若い子育て世代に最も効果的なインターネットのホームページを設けまして子育て支援情報を網羅した発信を行っております。1箇月6,000件を超えるアクセスをいただいております。今後とも御指摘を踏まえまして、地域における保育園や児童館等をはじめとする子育て関係機関がネットワークを構築する中で子育て世代を中心に市民からの身近な御要望を把握するとともに情報交換を行い、子育ての不安を払拭するよう取り組んで参ります。 続いて保育所待機児童の解消についてでございますが、京都市におきましては、これまでに保育所の整備や拡充を重点的に進めて参りました結果、就学前児童数に対する保育所定員の割合が政令指定都市の中で最も高く入所しやすい保育環境を確保して参っております。しかしながら、女性の社会参加の増加や一部の地域におきまして保育事業が偏在していることなどから待機児童が今年4月現在で532人になっております。御提案の送迎保育ステーションは待機児の地域的な偏在解消に役立つと思われますが、市民の利用ニーズや保育関係者の意向、更には他都市の実施状況など多方面から検討を進める必要があると考えております。いずれに致しましても、保育所の施設整備や定員の弾力的運用など引き続きまして待機児の解消に向けて取り組んで参ります。 児童館の拡充につきましては、本年4月に小野児童館を、7月には修徳児童館を、更に今月には94館目となります嵯峨野児童館を開設し、児童育成計画に基づく120館の設置目標に向けて着実に計画を推進しているところでございます。今後とも市民の皆様が子育てに夢と希望が持てますように子育て支援都市京都の実現を目指して参りますので御支援をお願い申し上げます。 次に、児童虐待についてでございます。京都市では指定都市で初めての子ども虐待に関する市民意識調査の結果に基づきまして今年度新たに児童相談所に子ども虐待防止アクティブチームを設置し、専門的かつ専属的に児童虐待防止に取り組む体制を整えたところでございます。児童虐待のおそれのある家庭への訪問や虐待を受け保護された子供の支援につきましては、このアクティブチームが中心になって対応しているところでございます。また早期発見の重要性から24時間体制で対応する子ども虐待SOS専用電話を児童相談所に設置したところでございます。この児童相談所と連携して虐待を受けた児童の養育を引き受ける専門里親制度につきましては、御提案いただいたところでございますが、国の制度の詳細が明らかになりましたら直ちに検討して参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 上原環境局長。 〔上原環境局長登壇〕 ◎環境局長(上原任) 環境を基軸とした施策の推進についてでございます。御指摘のように京都市基本計画では環境を基軸とした施策の展開を前文に掲げておりまして、私は、京都市政における環境行政の重要性を改めて認識し、環境局が中心的な役割を積極的に担っていかなければならないと考えております。現在、京都市環境保全推進会議を中心に新京都市環境管理計画の進行管理等について総合的に推進しているほか、新京都市役所エコオフィスプランの実施に当たり、各局、区等に推進責任者を配置して推進体制を確立し、環境局が推進のかなめとなって取り組んでおります。今後ともこれらの組織を発展、充実させていくことによって環境問題についての全庁的な連携を深め、環境共生型都市京都の実現に向けて積極的に取り組んで参ります。以上であります。 ○議長(磯辺とし子) 中野文化市民局長。 〔中野文化市民局長登壇〕 ◎文化市民局長(中野代志男) 青少年がスポーツ施設を使用する場合の使用料についてでありますが、本市では、これまでから青少年のスポーツ振興を目的に全市的に組織された団体などが実施される競技大会につきましては減額基準を設けているところであります。御提案のいわゆる子供料金の設定につきましては、かねてから多くの方々の御要望をいただいておりますが、本市の厳しい財政状況をはじめとする様々な課題があり、今後ともスポーツ施設の使用実態を把握しつつ使用料の在り方と併せて検討して参ります。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 野嶋建設局長。 〔野嶋建設局長登壇〕 ◎建設局長(野嶋久暉) 京都高速道路新十条通の土壌脱硝システムの導入についてお答え致します。このシステムにつきましては、換気塔から排出される自動車排気ガス等の大気を土壌に吸引しまして自然界の土壌が有している微生物の分解浄化機能を利用致しまして窒素酸化物等の浄化を図るものでございます。本市におきましては、環境影響評価においておおむね妥当との評価をいただいておりますけれども、環境に及ぼす影響をなお一層低減させ、道路完成後においても良好な環境を保全するため、かねてより阪神高速道路公団と連携し他都市において実施されている実用化に向けた実験等を調査して参りました。今後におきましては、公団等関係機関にも積極的に働き掛けまして新十条通トンネル部におけるこのシステムの有効性を検証致しまして実験も含めた具体化に向けて取り組んで参ります。 次に、治水対策としての河川改修についてお答え致します。本市では、近年多発しております都市型水害から市民の生命と財産を守るために治水事業基本計画に基づきまして、特に白川などの都市基盤河川につきましては、少なくとも10年に1回規模の降雨に耐え得るように河川改修に取り組んで参りました。その結果、治水被害の解消につきましては一定の効果を挙げてきたものと考えております。しかしながら、河川改修事業と申しますのは工事期間に制約があること、下流から着手する必要があることなどから事業の進捗が図りづらい状況があり、議員御指摘のとおり整備が不十分であると認識致しております。今後は本市の厳しい財政事情の中ではありますが、国、府補助金のより一層の確保に努めまして、浸水被害の多発河川の改修を重点的に実施し改修計画の早期実現を図るとともに、下水道事業との連携や流域での雨水貯留、雨水浸透を含めた総合的な治水対策の推進に全力を挙げて取り組んで参ります。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 富議員。 〔富きくお議員登壇(拍手)〕 ◆(富きくお議員) 今、私どもの質問に対しまして答弁をいただきました。その中で特に外郭団体に対する市長の答弁でありますが、経営感覚を持った有能な人材を登用していくことが重要であり、御提案の人材確保の方策について取り組んで参りますとの答弁に対しましては評価を致します。しかし、後段の答弁につきまして経営状況を精査している最中であり、その結果、将来経営改善の可能性がないと判断される場合は問題を先送りすることなく団体の統廃合や事業の存廃も含め勇気を持って早急に抜本的な対策を講じて参りますという答弁につきましては、もう一歩踏み込んだ答弁を私は期待致しておりました。先ほど申しましたように5月に加藤盛司議員がこの質疑をやっておりますが、それからこの4箇月、どういう踏み込んだ精査をしたのか、実はそういうところまで今日は答弁を求めたかったのですが、ちょっと残念であります。 私たち自民党市会議員団の会派では、外郭団体に関しましてはそれぞれ個別に色々な意見が出ておりまして、財団、法人含めて全体的に厳しい見方を致しております。例えば財団の中にはプロパーの職員が同じ部署に何十年もいて、京都市から出向した職員との関係がうまくいかず、京都市の意向がスムーズに伝わらないケースや、また福祉法人では京都市の社会福祉協議会との関係で重複している事業も多々あり、整理統合ができるのではないかという意見、また公営保育園は民営に移管できるのではないかという意見、先ほど二之湯議員が申しました市営浴場も一つの財団になっておりますが、これも今後早急に廃止、また見直しをしていく必要があるなど色々な論議がございます。いずれに致しましても48団体というのは公共性の立場から見ても多すぎます。私たち議員団は、市長が勇気を持って果敢に外郭団体の整理統合に取り組まれることを大いに期待し、同時にその取組に対し全面的に私たちは自民党市会議員としてバックアップ、支援していきたいと考えております。市長の決意を再度お伺い致しまして、私の質問を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 京都市の外郭団体等の改革につきまして、ただ今富きくお議員から多様な観点からの御指摘をいただきました。その御意見をしっかりと踏まえまして、先送りすることなく、勇気を持って断固たる決意で国に負けないような成果を挙げるべく改革に取り組んで参ります。--------------------- ○議長(磯辺とし子) 暫時休憩致します。 〔午後3時11分休憩〕 〔午後3時34分再開〕 ○議長(磯辺とし子) 休憩前に引き続き、会議を行います。--------------------- ○議長(磯辺とし子) 休憩前の一般質問を継続致します。 次に、市政一般について、山中渡議員に発言を許します。山中議員。 〔山中渡議員登壇(拍手)〕 ◆(山中渡議員) 私は、日本共産党京都市会議員団を代表して市長、理事者に質問致します。 まず最初に先の参議院選挙において日本共産党に対し市民の皆さんの熱い御支援をいただきましたことに心からお礼を申し上げます。小泉旋風の中で行われた選挙でした。日本共産党以外の政党がこぞって小泉改革に便乗する中、我が党は、この小泉政治に真正面から対決し、個人消費の拡大や雇用対策の強化など自民党政治を大本から変える政党として頑張りました。今日の経済情勢を見るとき小泉改革の破綻は明白です。これまでの取組の方向に確信を深めるとともに、この間皆さんからお伺いした貴重な御意見については今後の活動にしっかり生かして頑張る決意でございます。 さて質問ですが、最初に先月発覚した在日韓国人、朝鮮人に対する重大な人権侵害問題についてお伺い致します。先月、京都市が公安調査庁の求めに応じて在日韓国人、朝鮮人の外国人登録原票87人分の写しを提出していたことが明らかになりました。事件発覚直後の8月17日、我が党議員団は、今回の問題が在日外国人に対する重大な人権侵害であることを指摘、抗議するとともに事実経過の説明と市長見解を示すよう申し入れました。外国人登録原票には本人の顔写真、職業、家族、居住歴など重要な個人情報が記載されており、個人情報保護と人権に配慮した慎重な取扱いが必要です。ところが本市は、公安調査庁の求めるままに写真も含め外国人登録原票の原本の写しを渡していました。関係者から抗議と謝罪を求める声が上がったのは当然です。京都の人権問題の研究者の方々も1997年に東京都小平市で起こった警察による外国人登録原票の閲覧事件で、同市が人権を侵害したと謝罪したことを紹介し、今回の事件について関係者に謝罪すべき等の申入れをされました。この間、京都市はこの事件について遺憾だとする見解を示し関係団体に伝えたとのことですが、個人情報を安易に流した市の責任は大きく、市長自らの反省と謝罪の表明が必要と考えますがいかがですか。 本市において国の機関による外国人登録原票にかかわる照会は以前からあり、昨年だけでも19件あったとされています。これらの取扱いの基本はどのようになっていたのか。また実際どのように扱われてきたのかという問題です。京都市は、今回の照会に対して取扱いの判断をすべて入国管理局にゆだねていました。また請求理由についても破防法27条に基づく請求とあっただけで、それ以外の請求理由は示されていませんでした。今回の事件は全国規模で引き起こされていましたが、大阪市は原票の写しに写真を付けないという対応をした。北九州市は開示をいったん断ったとされています。ところが本市の場合、写真まで付けて渡すなど自治体としての独自判断の形跡が全くありません。調べてみると、京都市は7年前、1994年9月に外国人登録原票の照会等の取扱いに関する通知を区役所、支所に行っています。そこでは照会で必要な登録事項を確認し、不必要な登録事項についての回答は行わない。請求、閲覧の申出があった場合には直ちに応じることなく、どんな登録事項が必要であるかを確認し該当する項目について文書回答で対応する。原票上の写真の複写は行わないことを原則とする。指紋、署名及び動静通報事項についてはいかなる場合も複写を行わないなどがはっきりと指示されています。今回の本市の対応はこの通知から大きく逸脱しています。こういう通知がありながら違う取扱いがなぜ行われたのか、関係者、市民が納得する説明が必要です。事件の全容について市民と議会に報告すべきです。更に個人情報保護に対する市民の信頼も大きく失墜させました。信頼回復にどう取り組むのか市長の見解をお示しください。 市長、あなたは議会で人権について、人権の世紀と言われる21世紀に向け人権の尊重を基本に置いて市政運営を進めていると答えておられますが、そもそも公安調査庁とは国民に対するスパイ活動を日常的に行っている秘密警察の一つです。最近では阪神大震災のときに救援に当たったボランティア活動、官官接待を追及している市民オンブズマン活動、サッカーくじの導入に反対したPTA組織、弁護士会などにも監視の手を伸ばしています。オウム事件では役割を発揮できず、行政改革論議の中でリストラ対象とされてきた組織です。そういう団体との信頼関係だけを強調し、取扱いは適法とだけしか言わない京都市の姿勢に市民が不信を抱くのは当然です。更に今、アジアの近隣諸国は侵略戦争肯定の歴史教科書問題や首相の靖国参拝など日本に対する批判を強めていますが、今回の人権侵害はこうした諸国を更に傷付ける行為であり、アジアの友好を損なうものです。こうした事態を繰り返さない決意をすること、アジアの友好促進、在日外国人の人権擁護の取組を積極的に進めることが必要と考えますが、市長の見解を求めます。 次に、小泉改革が本市の経済や雇用、財政、社会保障に与える深刻な影響について質問致します。選挙後、小泉改革破綻の実態が急速に明らかになっています。株価はバブル後の最低安値を続けています。7月の失業率はついに史上最悪の5パーセント台。大失業が問題になっているのに電機大手、自動車などの大企業は十数万規模のリストラを進めています。柳澤金融担当大臣は2003年になっても大銀行の不良債権は減少しないという試算を公表するなど政権内部から小泉改革の看板が傾きつつあります。医療費改悪を中心にした社会保障の切り捨てなど小泉改革はこの分野でも不安を高め、地方交付税削減の動きは全国の地方自治体に不安を広げています。一方、国民が切実に求める景気対策はというと、与党三党は、構造改革に矛盾しない景気対策、物価上昇率がプラスになるまで市場へ資金をつぎ込み続ける、不良債権最終処理は中小企業を例外にする等々矛盾だらけです。どこから見ても小泉改革の破綻は明白です。国の悪政から住民の暮らしを守る自治体としての姿勢が問われています。 そこで市長に伺います。その第1は小泉改革と京都経済に対するあなたの認識です。京都の経済ですが、京都の生産、新規受注は製造業、IT関連分野とも減っています。倒産も建設業をトップに繊維、食品、電気、機械と幅広い業種で起きています。7月の近畿の失業率は6.3パーセントと失業、雇用問題も深刻です。流通の分野でも大型店出店の規制緩和で中小小売店と商店街はますます疲弊の度合いを強めています。市民生活の実態ですが、何人かの方にお聴き致しました。菓子製造業の方は、従業員を家族だけにした。卸価格引下げはもう限界だ。機械金属の経営者の方は、大手の単価切下げは本当にきつい。赤字覚悟の出荷になっている。またアパレル関係の方は、商品開発をやっているが結果が出るまで資金が持つか分からない。伝統産業関係の方は、仕事は月のうち10日くらい。あとは失業状態。下京区のある商店街は、この時期でも5時半になるともう店じまいが始まります。ここでは高齢者の方の買物が更に落ちた。健康保険料の負担が気になるなど切実な声が聞かれました。またあるマンションオーナーは、工事に重大な瑕疵があったが施工業者が倒産した。改修費用もなく入居者離れで建設費の返済が心配だ等々深刻な声であふれていました。京都経済にとって景気回復対策は急務と考えます。京都出身の自民党国会議員の方が国の景気対策がないとの批判に、選挙で選んだのだからそれでよい。また、失業者は怠け者との市民の暮らしを顧みない発言をされましたが、市長あなたは今日の京都経済の実態と深刻さについてどのように認識されていますか。また不良債権処理など小泉改革が本市の中小企業や中小小売店に与える影響、失業と雇用実態の認識についても併せてお答えください。 市長は今年の5月議会で、京都経済を支えている中小企業を1社でも多く救いたいと答弁されましたが、政府の不良債権最終処理策に対する影響把握や中小企業等の救済にどのような方針で臨むおつもりですか見解を求めます。 そのうえで、大銀行による金融被害から中小企業などの救済と再建支援をどう進めるかについてお伺い致します。金融庁の検査マニュアルは正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先の五つの区分を示し、破綻懸念先以下の企業を不良債権処理の対象企業とするとしていますが、大手金融機関は査定方法を公表していません。対象企業は自らの査定区分すら知らされず、突然の融資打切りや整理回収機構送りを通告されています。通告された方のショックは大きく、私のお会いした方も仕事に集中できないほど落ち込んでおられました。追い打ちを掛ける動きもあります。例えば要注意先企業に対し金利引上げを求めたり、応じない企業の区分を落とし資金回収を行うケースです。不況が解決すれば業績が好転すると頑張っている中小企業などを頭から抑える行為です。大手金融機関や国に対し、資金の強制回収ではなく企業の再生の可能性を引き出す金融対策に転ずるよう働き掛けることが必要と考えますが市長いかがですか。 大銀行のこうした動きとは逆に地域経済と深く関係する地方金融機関は不安と怒りの声を上げています。ある地方金融機関は、資金回収ではなく中小企業の技術力を生かしたアドバイスを行うこと、大企業の協力を求めること。そして対象企業自らの努力等を通じて企業再建支援を行い、実際に企業の業績が好転しているという報告も行っています。本市においてもこうした地方金融機関と連携し中小企業や商業者の支援を行うこと。また大企業に対して中小企業再建の協力を求める等の取組を行うことが必要と考えますが市長いかがですか。 京都みやこ、南京都の両信用金庫の破綻の際、我が党は金融被害を広げないために貸し渋り対策としての特別保証制度の充実、行政の金融機関への働き掛けの強化を求めてきました。不況が深刻化する下で昨年度の中小企業向け融資は2年連続で減少しています。今後も中小企業への金融保証制度の継続と充実を国に強く働き掛けることが必要ですが、市長の見解を求めます。 景気対策の根本は何よりも個人消費の拡大です。本腰を入れた景気、雇用対策を国に求めるべきです。我が党は、消費税減税や雇用対策の重視などで個人消費を拡大する政治への転換を求めてきましたが、世論調査でも景気対策を求める国民の声は50パーセントを超え、京都の財界の中にも景気、雇用対策、地場産業の支援を求める強い声があります。消費税減税など国に対し家計を応援する政治への転換を求めることが必要ですが市長いかがですか。 雇用問題ですが、政府の失業率には最後の1週間に1時間でも働いた人は含まれていません。実際の失業者は10パーセントをはるかに超えていると言われています。現に私の住む下京区のハローワークは、連日職を求める青年であふれています。雇用問題の解決が求められているのに大企業は十数万人以上のリストラで企業の雇用責任を投げ捨てています。サービス残業は根絶の通知が出されても一向に守られません。そして政府はこうしたリストラ応援の法律をつくってこういうやり方を全面支援しています。これでは矛盾が広がるばかりです。本腰を入れた国の雇用対策が必要です。第1に、新たな失業者を生まないためにヨーロッパのような解雇規制法をつくること、リストラを応援する産業再生法を廃止すること、こういう取組が必要ではないでしょうか。そして第2に、賃下げなしの時間短縮による労働の分かち合いを実行すること、また中小企業には適切な助成を講じる中でサービス残業の根絶、残業規制を行うこと。第3に、失業者の生活保障を行うための失業給付の抜本的強化を行うことなどを国に求めるべきと考えますが市長いかがですか。また本市において職員のサービス残業を根絶するなど雇用対策の先例をつくること、緊急地域雇用特別交付金の来年度以降の継続、充実を求めるなど雇用拡大の積極的姿勢を打ち出すべきです。併せてお答えください。 次に、本市の中小零細企業支援に向け実態調査の取組や地域経済振興策をどう進めるかについて伺います。第1は、中小企業や中小小売業などの実態調査の取組です。本市の来年度国家予算に対する重点要求では、和装産業など伝統産業の振興策が盛り込まれていますが、これらに加え中小企業支援策の総合的かつ抜本的強化を国に求めることが必要と考えます。そのためにも中小企業等の実態調査がまず必要です。京都市は、実態調査について中小企業経営動向調査や職員が業界へ足を運んでいるので問題はないとしていますが本当にそうでしょうか。今、中小企業や商店街の関係者の方々は漫然と事態を見詰めておられるわけではありません。経営者の方々は異業種も含め任意のグループを作り不況対策や商品開発を集団の力で乗り切ろうと頑張っておられます。青年企業家の研究組織もあります。私もあるグループの代表の方々と懇談しましたが、そこでは様々な要望が出されました。融資支援、技術支援、アンテナショップ支援、異業種交流等々です。柔軟で総合的な中小企業、中小小売業対策を痛感致しました。この間、国において中小企業補助制度が改善され任意のグループについても要件が整えば対象とするなどの変化もありますが、こうした企業の動きに積極的にこたえる体制強化と実態把握が必要です。京都市は、企業家の独自の創意ある活動についてその実態をほとんど把握していないのではありませんか。中小企業や中小小売業について分野別、業種別実態調査を直ちに行うべきです。市長いかがですか。 第2は、本市独自の積極的な地域経済振興策を打ち出すことです。全国でも緊急策としての地域産業おこしが取り組まれています。東京都板橋区は、住宅改修助成制度を仕事おこしの一環として再開を決めました。目黒区の住宅リフォーム資金助成制度は改修費の5パーセントの助成ですが、昨年度は470万円の助成で約1億2,000万円の仕事を創出しています。本市においても住宅改修助成を求める声は大きく直ちに創設すべきです。いかがですか。また東京都墨田区は、すべての幹部職員が首都圏を歩いて仕事おこしをスローガンに区を挙げて仕事おこし運動に取り組んでいます。本市においても不況対策本部を設置すること、その中で地域経済振興策と雇用拡大策を具体化することが必要と考えますがいかがですか。根本的には本市の中小企業、商業振興を目的とした地域経済振興条例の制定です。八尾市は、中小企業地域経済振興基本条例で市の責務として社会情勢の変化に対応した適切な措置や国等に対する施策の充実、改善要請を行うことを定めています。更に大企業に対しても中小企業と共に地域社会の発展や地域経済の振興に努めることを求めるとしています。本市の責務と経済振興の基本を示した地域経済振興条例の制定を求めるものです。市長の見解をお示しください。 次に、地方交付税削減問題についてお伺い致します。政府は1兆円規模で地方交付税を削減する方針を打ち出しました。本市は自主財源比率が低く地方交付税への依存度の高い自治体です。自主財源となる市税は1997年以降毎年減収を続け、京セラやロームなどIT分野にも陰りが見えています。このまま国の地方交付税削減が実行されるなら、本市の受ける影響は大きく市民の社会保障などに新たな水準後退を生み出すことは必至です。また地方自治を財政的に保障する地方交付税のような財政調整制度については充実強化が必要です。地方交付税の削減を行わないよう強い決意を持って国に望むべきと考えますがいかがですか。 また地方交付税制度の充実改善ですが、配分基準について地方の意見が反映できる仕組みにすることです。公共工事の借金の返済を地方交付税で手当する方法が公共事業を誘導させ地方財政危機の原因を作ってきました。このような配分方法を改め、地方が自由に使える仕組みにするよう国に求めるべきです。いかがですか。また市長は、地方への税財源移譲を求めることを発言しておられますが、国はその具体策をまだ示していません。国に比べ地方の財政支出割合が高いのに税収割合は逆に低いという実態が財政危機を深めてきました。地方への税財源移譲を求める取組を積極的に行うべきです。市長の見解を求めます。その際、地方消費税の拡大については消費税の増税につながるものであり認められないことを申し添えておきます。 小泉改革は、社会保障の分野でも国民の医療切り捨てなど大改悪を進めようとしています。公明党の坂口厚生労働大臣と厚生労働省は高齢者医療制度の対象を75歳以上とすることやサラリーマンの健康保険本人3割負担などの打ち出しを行いましたが、直後から国民の批判がありました。小泉首相は、厚生大臣のとき健康保険本人負担を1割から2割に引き上げ、全国で45万人の受診抑制が起こるというとんでもない事態を引き起こしましたが、今回の小泉改革は、これと同じ規模の医療費削減を更に重ねようとするものです。我が党は、公共事業に50兆円、社会保障はその半分以下という実態が社会保障を貧困にしていること、こうした世界から見ても逆立ちしている国の財政を転換すれば国民負担増のない社会保障の充実は可能になると指摘しています。この方向を求める学者、研究者の方の声も広がっています。医療制度改悪を許さず、社会保障充実を市政の基本に貫くことを求めておきます。この問題については、明日引き続き同僚議員が質問致します。 最後に同和問題について質問致します。本年度をもって特別対策としての同和行政は終結します。同和地区の呼称もなくなります。本市の同和行政は、施設整備、教育、保育、住宅などの逆差別の実態も生み出しました。市議会もこぞって同和の特別対策を継続しないように求めています。ところが京都市は、今なお特定団体との密室協議で特別対策を継続しようとしているのであります。懸念される二つの問題について質問致します。 その第1は、京都市基本計画とその実行プランで、解放同盟の方針を採り入れ特別対策の継続を打ち出している問題です。解放同盟は、同和行政、同和教育を人権行政、人権教育へと普遍化させていくことを方針に掲げています。そして同和地区には今日も進学格差、部落における大幅な人口減、働き盛りの部落外への流出、急激な高齢化等の課題があるとしています。問題は、本市の基本計画と実行プランにこの解放同盟の主張がそのまま持ち込まれていることです。そのうえで基本計画の推進プランは、一般施策の中で同和の特別対策を続けるとしています。同和行政の終結を言いながら、実際には一般施策と称して同和の特別対策を継続する、市民や特別対策の継続をやめるように求めた市会決議への重大な背信です。同和特別対策を継続する基本計画推進プランを撤回し、同和行政の終結をきっぱり実行するよう求めるものですが、市長いかがですか。 第2は、解放同盟の企画推進会議に多数の幹部職員が参加し、そこで密室協議が行われていること。またこの協議が同和特別対策の継続、具体化の場所となっている問題です。今年の予算委員会で我が党議員は、部落解放同盟京都市協議会に企画推進委員会が存在すること、その中に教育、まちづくり、産業などの3部会が構成されていること、そこに本市の部課長が多数参加し、昨年度だけでも部会を入れると19回開催された問題を採り上げました。そのうえで、このやり方はかつての交渉の形を変えたもの、ここで同和行政の意思形成がされていると指摘し協議内容の公表を求めました。また5月市会本会議では企画推進委員会なる特定団体との密室協議をやめるよう求めましたが、今日に至るも改まっていません。最近も6月21日、京都府部落解放センターで部落解放京都市協企画推進委員会合同部会が開催され、ここに昨年と同様に本市の部課長など多数の職員が参加しました。会場では文化市民局理事が特別対策から一般行政へ移行する中でも、部落問題の解決を主要な課題として取り組みたいとあいさつ、続いて解放同盟側から、今なお部落には深刻な課題が存在しており、その解決を進める取組が必要だ、今後も引き続き協議することが大切の決意表明などが行われています。 市長に伺います。私たちの調査では、この日の協議に京都市のほぼ全局からそれぞれ担当の幹部職員が参加し、協議は午後1時から5時ごろまで行われていました。参加した幹部職員は局長級1名、部長級25名、課長級24名、ほかに各区役所、支所の区民部長、各隣保館長など合わせて80名近くに及んでいたのであります。昨年12月のときも50数名の幹部職員の参加があったことを確認していますが、他の民間団体等との間ではあり得ない異常な対応です。形を変えたかつての交渉であり、同和行政のゆがみの最大の温床、秘密主義の継続ではありませんか。こうしたやり方こそ断ち切らなければならない一番の課題です。こうした密室協議が存在する限り同和行政のゆがみに対する市民の不信と逆差別の実態を取り除くことはできません。この種の密室協議についてはきっぱりやめるべきです。市長の見解を求めまして私の第一質問を終わります。(拍手) ○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 山中渡議員の御質問にお答え致します。 まず中小企業のまち京都経済の認識についてお答え致します。我が国の経済は、力強さを欠く個人消費や設備投資、高水準で推移する失業率に加え、これまで景気回復の牽引役となってきたIT関連産業の不振など一段と厳しい状況にございます。また完全失業率が全国を上回る近畿圏において、京都経済につきましても全国的な課題に加え和装産業をはじめとする伝統産業の低迷など依然として非常に厳しい状況にございます。このような中、真の景気回復を図るため政府は不良債権の抜本的解決と構造改革のための七つの改革プログラムを柱とするいわゆる日本経済の再生シナリオを打ち出されましたが、雇用問題を改善し、新世紀の経済成長を遂げるためにはこの二つの柱が一体となって推進され、新規雇用の創出など改革の痛みを和らげるセーフティネットを充実していくことが必要であると認識致しております。私は、このような認識の下、一日も早い景気回復と京都経済の中核的な担い手である中小企業の活性化を図るため、今後とも国の政策に連動した取組と京都市独自の政策として不況対策はもとより、新事業、新産業の創出、伝統産業の活性化、地域に密着した商業や観光の振興など幅広い経済振興策を全力を傾注して実施して参りたいと考えております。 次に、地方交付税制度及び税財源の移譲についてのお尋ねでございます。地方交付税の総額は、地方財政計画の策定を通じ法定5税の一定割合をベースに地方財源不足額に対応して決定されるものでございます。御承知のとおりでございます。現下の国、地方を通じた財政状況は非常に厳しいことから、地方財政計画の策定に当たっては歳出の徹底した見直しに取り組むこととされておりますものの、必要となる地方一般財源についてはこれまでどおり所要額を確保することがいわゆる骨太の方針においても明確にされているところでございます。なお地方交付税の算定方法について、地方自治体から意見を提出できる制度が既に昨年創設されたところであります。 また地下鉄建設事業をはじめとする都市基盤整備事業につきましては、21世紀の京都の発展のために市債の活用などにより今後も推進していくことが必要であり、その元利償還金について財源保障が更に充実されるよう引き続き国に強く求めて参ります。いずれに致しましても地方交付税は地方公共団体共有の独立財源として地方自治の発展に大きな役割を果たしており、その見直しに当たっては大都市への税源移譲など地方の自主財源の強化を前提とするよう指定都市共同で従来にも増して強く国に要望したいと考えております。 以下、高木副市長及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(磯辺とし子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕 ◎副市長(高木壽一) まず最初に京都公安調査事務所への外国人登録原票の提出に関する問題と外国籍市民の人権擁護に関する取組についてお答え致します。今回の京都公安調査事務所からの依頼に基づく外国人登録原票の開示につきましては、入国管理事務所の見解も踏まえまして法令の規定に従い適法に処理を行ったものであります。しかしながら、このことが市民の皆様、特に多くの外国籍市民の皆様に大きな不安を与える結果となりましたことは申し訳なく、誠に遺憾に存じます。こうした京都市の考え方と今後の対応について、去る9月6日に在日本大韓民国民団京都府地方本部並びに在日本朝鮮人総連合会京都府本部へお伝えし大筋において御理解いただけたものと考えております。京都市におきましては本年1月に策定致しました京都市基本計画の中で、日々の暮らしの中に人権を大切にし尊重し合う習慣が根付いた人権文化の構築を重要な政策として掲げ、国籍、民族あるいは文化の違いによる精神的、制度的な壁の解消に向けたより効果的な取組を進めることと致しております。既に平成10年度から外国籍市民を含む委員で構成致します外国籍市民施策懇話会を開催し、その御意見を参考にしながらいわゆる内なる国際化の推進を図っております。また姉妹都市西安やパートナーシップシティ晋州などアジアの諸都市との市民交流にも取り組んでおります。外国人登録制度につきましても、これまでから外国籍市民の皆様の人権を守り負担の軽減を図る目的から外国人登録制度の抜本的な改善を国に対して要望して参りましたが、今回の事態を真摯に受け止め、8月28日にはこれまでの内容に加えて開示請求の内容を必要最小限のものとすることを関係機関に図られるよう法務大臣に要望したところでございます。今後につきましても外国人登録証明書の常時携帯義務の廃止などにつきまして他都市とも連携し引き続き要望して参ります。 次に、景気雇用対策についてお答え致します。現在国において景気対策と雇用対策が重点的に検討されておりますが、京都市と致しましても平成14年度国家予算要望におきまして引き続き雇用の確保を図るため緊急雇用特別対策事業の継続実施など雇用対策の充実を求めますとともに、産業、経済、文化の振興、景観、都市基盤の整備を重点とする活力と華やぎのあるまちづくりに28項目にわたって要望しているところであります。今後とも雇用労働行政を担う京都府及び国と連携を図りながら京都市の実施する様々な事業や全国に例を見ない独創的な創業支援事業をはじめとする産業振興行政全般が効果的に景気回復と安定的な雇用確保に結び付くよう努めて参ります。京都市職員の時間外勤務につきましては、今後とも適正な運用並びに縮減に努めて参ります。なお消費税減税につきましては、現在の経済状況の下では消費税減税が直ちに消費拡大につながるとは認識致しておりません。また消費税が地方財政において果たす重要な役割を考えますとき、景気対策という観点のみから議論することは適切でないと考えております。 続きまして地域経済振興についてでございますが、京都市では京都市基本計画及びこれに伴う各種の計画に基づきまして市長を先頭に全庁的に地域経済振興につながる各種事業を推進しているところでございます。その取組状況は随時局長会等において情報交換と必要な指示を行っておりまして、不況対策本部の設置や条例の制定は考えておりません。 次に、住宅改修に対する助成制度についてでございますが、既に京都市総合住宅資金融資制度の中で住宅のリフォームに対する融資制度を設け、相当な事業量に貢献しているところでございまして、引き続きこの制度の活用促進に努めて参ります。なお新たな助成制度につきましては、京都市の厳しい財政事情に照らしますと困難であると考えております。 次に、同和行政の終結についてお答え致します。安らぎ華やぎ京都21推進プランは、京都市基本計画を着実に実施するための計画でありまして、基本計画の取組期間のうち平成13年度から前半5年間に重点的に取り組む主要な施策や事業を掲げたものでございます。京都市におきましては、この推進プランにも示しておりますとおり、平成13年度末をもって特別施策としての同和対策事業を終了し、いわゆる同和行政は終結致します。その後につきましては、人権問題全般に対する取組の中で同和問題の早期解決を図って参る考えでございます。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 中野文化市民局長。 〔中野文化市民局長登壇〕 ◎文化市民局長(中野代志男) 公安庁への外国人登録原票の提出についてでありますが、外国人登録原票につきましては高度に個人情報を集積したものであることから、本市におきましても従来からその取扱いに慎重を期して参ったところであります。今回の京都公安調査事務所からの外国人登録原票の開示請求につきましては、入国管理局への確認も行い、外国人登録法に基づく適法なものと判断して対応したものと認識しておりますが、外国籍市民とのより強固な信頼関係の構築に向けて人権擁護、個人情報保護の観点を踏まえ、より一層慎重かつ厳正な事務取扱いを徹底して参りたいと考えております。 次に、御指摘の企画推進委員会との懇談についてでございます。これはかつての交渉で批判があったような両者の関係ではなく、お互いの立場を尊重しつつ特別施策としての同和行政の終結に当たっての説明や意見交換を行っているものであります。本市が施策の大転換に際して関係する団体等と話し合っていくことは当然のことであると考えております。常々から市民との話合いを主張されている議員が、なぜ御指摘の団体との懇談について否定されるのか理解に苦しむところであります。(発言する者あり)なお今後におきましても同和問題の解決に向けた取組につきましては、市民の皆様の共感と理解が得られるよう努めて参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 西口産業観光局長。 〔西口産業観光局長登壇〕 ◎産業観光局長(西口光博) 中小企業に対する支援についてお答え致します。金融機関の動向は地域経済や地域中小企業経営にとって大きな影響を与えるものでありますが、市内に本支店を有されます金融機関におかれましては、これまでから国の特別保証制度、本市の制度融資の取扱い、また先の地元金融機関の再編に際しての円滑な資金供給など中小企業の経営安定に大切な役割を果たしていただいております。本市と致しましては、金融機関とも十分連携し厳しい経営環境に対応できるよう幅広い観点から効果的な中小企業支援策を実施してきたところであり、更には中小企業支援センターにおいて地元金融機関出身のマネジャーを配置するとともに、金融、経営を一体化させたワンストップサービスを実施することにより一層効果を挙げているところであります。また国の金融保証制度につきましては、地域の事情を踏まえた改善がなされるようかねてから要望して参りました。今後とも金融機関などとの連携を一層深め、懸命に努力しておられます本市中小企業者の方々の支援に引き続き全力を挙げて取り組んで参ります。 次に、中小企業の実態把握についてお答え致します。産地診断事業や西陣機業調査などの実態調査のほか、中小企業団体との日常的な情報交換はもとより職員が業界、地域の商店街、個別企業などへ直接足を運び幅広くきめ細やかなヒアリングを行うなど地域経済の実態把握に努めております。また中小企業支援センターにおきましては、豊富な経験と知識を持つ専門家を常駐させるなど民間の人材を活用した経営支援体制を構築し経営、技術面など様々な相談に応じるとともに個別企業の訪問を行い、企業のニーズを的確に把握し、更に充実した支援システムづくりに努めているところであります。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 山中渡議員。 〔山中渡議員登壇(拍手)〕 ◆(山中渡議員) 再質問致します。外国人登録原票の件ですが、副市長は適法に処理したが、関係者に不安を与えたことが遺憾だと答弁されました。しかし、今回の事件は、本市が慎重に取扱いをする可能性が十分ありました。国は原票を利用する場合も、因果関係が客観的に明らかになる理由が要るとしています。そしてまた京都市自身も人権配慮のルールを1994年に作っていました。これをゆがめたことが今回の事件を引き起こしたのであります。市長自らが謝罪し、繰り返さない決意を述べてその責任を明らかにすべきであります。求めておきます。今後もこの問題については更に追及したいと思います。 解放同盟の企画推進委員会ですが、80名近い職員の出席は当然だとするような開き直りの答弁がありました。ほかにこんな例がありますか。市民が対応を求めても幹部職員が会おうとしないケースが多々あるのではありませんか。こういう京都市トップの姿勢が市政のゆがみを作っていることを強く指摘するものであります。そしてまた同時に市民全体への対応の質を高めることの方が先だということを強く申し述べ、この問題についても引き続き追及することを申し上げまして第二質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)--------------------- ○議長(磯辺とし子) 本日は、これをもって散会致します。 〔午後4時24分散会〕---------------------         議長    磯辺とし子         署名議員  井坂博文         同     大道義知 △(イメージ)例月出納検査の結果に関する報告の提出について △(イメージ)例月出納検査の結果に関する報告の提出について △(イメージ)例月出納検査の結果に関する報告の提出について △(イメージ)例月出納検査の結果に関する報告の提出について △(イメージ)例月出納検査の結果に関する報告の提出について △(イメージ)例月出納検査の結果に関する報告の提出について △(イメージ)例月出納検査の結果に関する報告の提出について △(イメージ)例月出納検査の結果に関する報告の提出について △(イメージ)例月出納検査の結果に関する報告の提出について △(イメージ)例月出納検査の結果に関する報告の提出について △(イメージ)「建設消防委員会報告書」・議案付託表 △(イメージ)議案付託表 △(イメージ)公営企業決算特別委員...